シンガポールのギャンブル依存症対策審議会(National Council on Problem Gambling : NCPG)が実施した調査によると、ギャンブルへの参加者数は減少し、賭け金の平均額は半減したが、プロブレムギャンブラー(問題ギャンブラー)の疑いがあったり実際に問題を抱えたりしているギャンブラーの割合は安定している。
NCPGは、無作為に選ばれた3,000人のシンガポール居住者の回答から、ギャンブルに関する行動やその頻度、意識変化、消費額、人口統計、影響など、あらゆる点を3年おきに調査する機関。
7月29日(木)に発表された2020年の調査結果によると、18歳以上の同国居住者の44%が1種類以上のギャンブルを行ったことがあると回答。2017年の52%から減少しており、統計的に有意であると考えられる。
同様に、月にギャンブルに利用する額の中央値は、2017年の30シンガポールドル(約2,430円)から15シンガポールドル(約1210円)に減少し、89%の人が月間100シンガポールドル(約8,100円)以下で過ごしている。
NCPGは、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大でギャンブルの機会が制限されたことを考慮し、代わりに2019年のギャンブル行動について回答者に尋ねた。
「それにもかかわらず、調査期間中のギャンブル行動の制限が回答に影響を与えている可能性がある。このことから、2020年の調査でギャンブルへの参加率が44%と低く報告されたことが説明される」と述べた。
一番人気のギャンブルは同国の4Dロトで、回答者の42%が何らかの形で参加したと回答。TOTOは36%だった。また、21%はソーシャルギャンブルに参加していると回答した。
また、国内のカジノでテーブルゲームをプレイしたと答えた人はわずか1%、スロットマシンをプレイしたと答えた人も1%で、2017年の調査と同じ割合だった。
2020年の調査では、回答者の0.02%から0.4%が問題ギャンブラーの可能性があると分類され、一点推定で0.2%となった。2017年の0.1%からは増加しているものの、差は統計的に有意でないと分類されており、したがって2017年から2020年にかけては安定している。
疑いのある問題ギャンブラーの一点推定は1.0%で、0.8%から上昇し、こちらも統計的に有意ではない。