世界的な格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、サイエンティフィック・ゲームズのコーポレートファミリーレーティングをB3と評価したが、同社のゲーミング事業の回復傾向を受け、格付け見通しをネガティブから安定的に引き上げた。
ムーディーズは金曜日の発表で、昨年の閉鎖以降、世界中で多くのゲーミング施設が再開されたことで、サイエンティフィック・ゲームズの収益と営業利益は順調に増加し、新型コロナウィルスの世界的大流行がいまだ続いているにもかかわらず、継続的な改善が見込まれると述べた。
「その見通しの変化は、同社の優れたコスト管理とより回復力のある宝くじ事業の反映によるものである。これらの要因は、設備投資の引き下げとともに、同社に2020年に2億8000万米ドル(約307億円)超えのフリーキャッシュフローを生み出しており、ムーディーズは、同社が設備投資の増加にもかかわらず、2021年に同様のフリーキャッシュフローレベルを達成できると予想している。」と伝えた。
ムーディーズの格付けシステムにおいて、コーポレートファミリーレーティングは、企業のすべての債務履行能力に関する評価を表しており、サイエンティフィック・ゲームズのB3とは、同社の債務が現在投機的でリスクが高いことを示している。
今回の格付けは、「同社の顧客であるゲーミング企業が施設を再開する中で、新型コロナの封じ込め対策により収益と利益が大幅に減少していること、そして回復度合いが異なる可能性があること」を反映している。
DEBT/EBITDA倍率(EBITDA有利子負債倍率)のレバレッジレベルは、2021年まで8倍を超えると予想されているが、ムーディーズは、サイエンティフィック・ゲームズもデジタルゲーミング製品とスポーツくじの成長による利益を得るのに恰好の位置につけていると記しており、
「同社は、デジタルと非デジタルの両方の補完的なゲーミング製品とサービスの大規模なポートフォリオを所有しており、それはさまざまな販売プラットフォーム間で世界中に利用および相互販売ができる」と述べた。