衆議院議員の秋元司被告が起訴されたIR(統合型リゾート)事業を巡る汚職事件をめぐり、関係者に裁判でうその証言をするよう依頼して現金を渡そうとしたとして、会社役員ら3人が証人等買収の容疑で東京地検特捜部に逮捕された事件に関し、新事実が浮かび上がってきている。
秋元被告は裁判で「現金を渡されたとされる当日に、議員会館に行なっていない」と主張する方針だが、逮捕された淡路容疑者はこの主張を知った上で、「議員会館で、秋元被告に会わなかったことにしてほしい」などと、秋元被告への贈賄容疑で逮捕された紺野被告(中国企業元顧問)に依頼するよう、佐藤容疑者に指示していたとみられる。一部報道では、佐藤容疑者が紺野被告に現金を受け渡ししていると見られる場面の動画も公開されている。秋元被告は関与を否定している。
秋元被告の支援者である淡路容疑者は、クローバーコインと称する仮想通貨を扱っていたマルチ商法会社「48(よつば)ホールディングス」の元社長。同社は2017年10月に消費者庁から特定商取引法違反で取引停止命令を受けており、現在、被害者が同社に返金を求め、数十件の損害賠償請求訴訟を起こしている。
秋元被告の弁護を新たに受任したとしていた郷原信郎弁護士は6日、東京都内で会見し、秋元被告の弁護人として無罪を主張していく方針を明かしたが、翌7日には「弁護方針の違い」を理由に辞任を表明した。一部報道によると、新たな弁護人には弘中惇一郎弁護士の名前が浮上している。弘中弁護士はその経歴から「無罪請負人」とも呼ばれており、最近ではカルロス・ゴーン被告の弁護も務めた。