ギャラクシーエンターテインメントグループは、2020年にマカオで実施した一連のCSR活動を通じて、地元コミュニティでIR事業者が担うことのできる重要な役割を明確に示してきた。
日本初の統合型リゾートに関する議論の中で繰り返し取り上げられるテーマは、事業者は地元コミュニティに目に見える形で恩恵をもたらす必要があるというものだ。しかし、実際にはどうい ったものなのか?
その答えを見つけるために、アジアトップの統合型リゾート事業者の1社であるギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)が、過去6カ月間にホームであるマカオで行なってきた仕事を詳しく見てみた。
マカオコミュニティの支援という点に関して最も積極的な会社の1社であるGEGは、ギャラクシー・マカオとスターワールドを運営し、横浜でのIR開発を目指す一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行以来、CSRの分野で特に忙しくしている。

同社の新型コロナウイルスへの取り組みには2億パタカ(約27億円)の金銭の寄付が含まれており、その内訳は中国本土の最前線で働く医療従事者へのケアのための7,500万パタカ(約10億円) 、新型コロナウイルス感染症の流行が最初に発生した湖北省への救援活動支援に2,000万パタカ(約2億7,000万円)、そして地元マカオコミュニティの感染拡大防止対策支援への500万パタカ(約6,700万円)など。GEGはまた、中小企業支援をテーマにしたCOVID-19影響緩和ソーシャルボンド(SME-themed COVID-19 Im-pact Alleviation Social Bonds)も1億香港ドル分購入している。このソーシャルボンドは、政府が打撃を受けた中小企業がウイルス流行中の財政難を乗り切れるよう支援を求めたことで、中国銀行カオ)が発行した。
調達された資金はすでに、特別融資の提供、医療ケアや医療物資の提供によるマカオの中小企業の資金調達コスト削減に使用されている。
2月、GEGは、需要の高まりから安全装備へのアクセスがますます困難になっていた時にマカオ特別行政区、珠海市、そして横琴新区政府への100万枚のマスクの寄付を発表した。マカオには50万枚、そして残りの50万枚が珠海市と横琴新区に寄付された。
同社はまた、消毒活動においても地元団体を支援した。衛生事業を専門とする世界的大手のレントキルと連携して、GEGは、マカオ精神障がい者協会(Macau Association for The Mentally Handicapped)启康センター(Kai Hong Centre)および启能センタ ー(Kai Lung Centre)、澳門仁慈堂盲人リハビリセンター(Rehabili-tation Centre for the Blind of Macau Holy House of Mercy)、マカオ知的障がい者親の会(the Association of Parents of the People with Intellectual Disabilities of Macau)、マカオ扶康会(Fuhong Society of Macau)などの地元社会福祉団体で効率性の高い空気消毒を実施し始めた。
しかしその活動は新型コロナウイルス感染症に関するものだけに留まらない。
今年に入ってから、GEGのコミュニティ支援では、パンデミック中の親子の絆を強める手伝いとして、100人以上のスタッフに特別ワークショップを通じたペアレンティング(子育て)スキル研修を提供した。「ハッピーペアレンティング」スキル研修プログラムは、2歳から7歳までの子供を持つ社員を対象に行われた。

6月、マカオの台風シーズンが近づく中、GEGはマカオ治安警察局、社会福祉局、マカオ特別行政区政府地球物理気象局、そしてマカオ平安通遠隔支援センターと協力して、60人以上の平安通ユーザーとGEGのボランティアに向けて、大きな嵐や台風中の低平地からの避難方法に関する「防災トーク(Emergency Preparedness Talk)」を企画することで災害への備えに関する意識向上の取り組みを行なった。GEGがその後調整して、ボランティアたちは参加した高齢者の自宅を訪問し、防災準備用「ファミリーケア」キットとその他の生活用品を届けた。
同社はまた、環境対策の実施でも奔走しており、年初には、プラスチックごみのリサイクル(再資源化)、リユース(再利用)、リデュース(削減)を促進するために設計されたGEGおよびその施設での全ブランドボトルの循環システムを創出にむけた了解覚書をマカオ コカ・コーラ社との間で締結するなどしている。
この循環システムプログラムの下で、GEGとその施設で使われるブランド(PET)ボトルは、リサイクルされ、コカ・コーラ社が承認した台湾のサプライヤーへと届けられる。その後、米国食品衛生局およびEU欧州食品安全機関の基準に準拠した食品接触可能なプラスチックペレットへと処理される。再生PETペレットはCO2排出量を最大63%削減し、そのペレットは、その後マカオ コカ・コーラ社が新しいリサイクルボトルを製造するために使用する。
現在、GEGのブランドボトル全てが、このシステムを通じて製造されている。
GEGマカオの最高執行責任者、ケビン・ケリー氏は当時、「このプログラムのビジョンを共有するGEGとコカ・コーラは、環境保護における企業の社会的責任を果たすことに関して努力を惜しまない。

このパートナーシップが模範として業界をリードし、GEGが住民と訪問客にとって快適で環境にやさしいグリーンシティとしてのマカオの発展をさらに支援できると信じている」と述べた。
1月初め以来、GEGは20以上のCSRの取り組みを発表しており、良き企業市民になるということが何を意味するのかを示す良い手本となっている。