北海道は、IR(統合型リゾート施設)の将来的な誘致に向けた関連事業費を新年度一般会計予算案に計上する方向で検討している。北海道へのIR誘致活動の継続を表明している鈴木直道知事の姿勢を明確にする方針。関連事業費は、大規模な会議や展示会などに対応するMICE施設に関する海外状況調査費として数千万円規模が想定されているとのこと。北海道新聞が報じた。
鈴木知事は昨年11月29日の道議会で、「区域認定までに環境への適切な配慮を行うことは不可能」とし、2021年7月までの国への認定申請を断念する方針を表明した。その一方で知事は「きたるべき時に挑戦できるよう、所要の準備をしっかりと進めていく」と含みを残した。候補地であった苫小牧市は、観光資源を生かし訪日外国人らの集客を図る同市の成長戦略である「国際リゾート構想」は取り下げない方針を表明しており、独自に環境調査を行なっている。また、北海道でのIR事業参入を目指していたIR事業者の1者「ハードロック・ジャパン」(本社:東京都千代田区)の代表取締役社長アド・マチダ氏は「北海道へのIR誘致活動は今後も継続して全力を尽くそうと思っている」と、昨年12月のIAGの取材の中で述べており、さらに今年に入り、元博報堂のIR/MICE推進室担当部長、栗田朗氏を起用し、「より一層北海道IRの実現と成功に尽力していく」とコメントを出している。
誘致を推進していた自治体や事業者、地元経済界には一筋の光明となる一方、IRに関わる収賄容疑で昨年12月25日に現職衆院議員の秋元司容疑者が逮捕され、今月14日には加森観光(札幌市)会長の加森公人被告が贈賄罪で在宅起訴されている中、IR関連予算を計上することに反発の声が出ることも予想される。