香港の宝飾品販売大手、周大福のヘンリー・チェン(鄭家純)氏が、マカオでカジノコンセッションを保有するSJMホールディングスの取締役を辞任した。
SJMの親会社であり、スタンレー・ホー博士の要請で同氏の父親が1980年代に購入したSociedade de Turismo e Diversões de Macau,S.A.(STDM:澳門旅遊娯楽股份有限公司)の9.606%の株式を現在も保有するチェン氏は、デイヴィッド・ラン(藍鴻震)氏と共にSJMの取締役を離れる2人のうちの1人となる。
しかしながら、チェン氏の非執行役員としての役職は周大福のCEOであるパトリック・チャン氏が引き継ぐために、同氏はSJMの問題にある程度の利害は持ち続けることになる。チャンCEOは偶然にもチェン氏の姪、セリーナ・サン氏の夫である。
チャン氏は3月に、同社のカジノ事業運営会社であるSociedade de Jogos de Macau, S.A.(SJM:澳門博彩股份有限公司)の監査委員会のメンバーに任命されており、STDMの取締役会ではチェン一族の指定代理人となっている。
ヘンリー・チェン氏は、SJMでの個人の役職を辞任する一方で、ここ数年は周大福のゲーミングへの関心を積極的に高めてきた。
周大福は、2019年末に開業予定のベトナムのIR、ホイアナでサンシティー・グループとビナキャピタルと共に3社提携を結んでおり、またカリブ海にある35億米ドル(約3,800億円)規模のバハ・マー・カジノを所有・運営し、オーストラリアのスター・エンターテインメント・グループに4.99%の株式を保有している。
同社は、バハ・マーにあるホテルや、ホイアナでオープン予定の別のホテルを含むニューワールド・ホスピタリティの管理ホテルの一部として、高級ホテルブランドのローズウッドホテルズも運営している。
SJMは火曜、チャン氏と共に、香港小輪(集團)、六福集団(国際)、ケリー・プロパティーズ、ケリー・ロジスティクス・ネットワークで現在取締役を務めるマリーナ・ウォン氏が独立した非執行役員として取締役会に加わることを明かした。