今週発表された複数のアナリストレポートによると、マカオ株式は現在割安となっており、投資家にとって貴重な長期的な機会を示しているという。
最新の株価評価は、米中貿易摩擦の中で先月にかけて起こった25%の株価下落と、マカオのゲーミングライセンスへの潜在的リスクを巡る懸念を受けたものとなる。マカオのコンセッション保有6社の全てのライセンスは2022年に期限切れを迎える。
JPモルガンのDS・キム氏とクリストファー・タン氏によると、「業界の問題ではなくシステマティック・リスクを加味した最近の修正と株価の予想変動率によって、かなりの、しかし予想可能なリターンを生み出す魅力的な機会が広がった。このセクターは19/20年予想ですでに割安となっていると考えており、11倍/10倍のEBITDA倍率、そして7から8%の経常的なフリーキャッシュフロー利回りで取引されている。いずれにせよ、現在の株価水準は長期投資家にとって18か月強という期間で魅力的な機会を提供しており、その時までに大きな問題が改善していることを期待し、マルチプルは正常化するはずだと予想している」
JPモルガンは、ギャラクシー、MGM、ウィンそしてメルコをオーバーウェイト(強気)へと引き上げ、サンズはオーバーウェイトで現状維持、そしてSJMだけがニュートラル(中立)に引き下げられた。
投資銀行のモルガンスタンレーのアナリスト、プラビーン・チャードハリ氏、ダン・シュー氏、トーマス・アレン氏もまた、2020年予想のEV(企業価値)/EBITDAの9.1倍という平均では株価評価は割安に見えるとも述べている。アナリストは、業績予想修正は底打ちとなり、ライセンスリスクが目前に迫る懸念ではないことを考えると、第2四半期の時期的な株価下落は投資家に良いエントリーポイントを与えてくれると書いている。
彼らはマカオのマスマーケットの継続的な好調が株価上昇を後押しすると説明し、モルガンスタンレーは、2019年のマス予想を+7%の成長から+10%の成長へと引き上げた。一方で、VIP予想は-6%から-14%へと引き下げられている。同様に、GGR(ゲーミング粗収益)予想も1%下方修正されたが、EBITDAは2%引き上げられた。
アナリストは、「株主に帰属するフリーキャッシュフローの高い利回りとマス収益の堅調な伸びがこの業界を守りに強くさせる。しかし長引く貿易摩擦によってマルチプルの低下を長引かせる可能性がある」と付け加えた。
モルガンスタンレーは、VIPの不調、そして建設の問題がギャラクシーとウィンに打撃を与えているという理由で、好ましい投資先としてメルコ、MGMそしてサンズの名前を挙げている。しかしながら、SJMについても、コタイ地区のグランド・リスボア・パレスの開業を控えていることから良い機会だと述べている。
モルガンスタンレーは、「株価の下落傾向は限定的だと見ている」と述べた。