ドイツ銀行のアナリストによると、マレーシアのゲーミング大手、ゲンティン・バーハッドとハードロック・インターナショナルが豪クラウン・リゾーツの買収を検討し得る世界的なカジノ事業者の中に含まれるという。
ドイツ銀行の現地支店は、プライベート・エクイティ投資会社がバイアウトへの関心を表明する可能性もあることを示唆した。クラウン・リゾーツの買収をめぐっては、この2日間に米カジノ事業者のウィン・リゾーツが非公式の議論のニュースが広がったことを受けてクラウンとの交渉を打ち切っていた。
その71億米ドルの買収の議論が中止された一方で、クラウンの大株主であるジェームズ・パッカー氏がマカオとラスベガスの両方にある主要資産の売却を強いられた大荒れの数年間の後で、同社から手を引くことに躍起となっており、クラウンは正式に売りに出されているというのがアナリストや主な豪メディアの間の総意となっている。
クラウン・リゾーツの株価は、ウィンによる買収交渉がつい24時間前に明らかになった時に20%急騰し、その可能性が無くなったというニュースを受けて約9%値下がりした。
しかしながら、バーンスタインのアナリストは「(ウィンによる)買収に関する議論が将来的に再浮上しないという保証はない」とも述べた。
ウィンがクラウンに最初に関心を持ったきっかけの可能性を議論する中で、バーンスタインのヴィタリー・ウマンスキー氏、ユーニス・リー氏そしてケルシー・ヂゥー氏は「中国人客に関する確かな相乗効果があるかもしれない。一部では、ウィンにとってはあらゆる潜在的な買収者を回避するための防衛戦略の可能性があるとも見ている。
取引がウィンをクラウン・シドニーの開発リスクにさらし、成長の遅いオーストラリアのゲーミング市場へと参入させ、負債を増加させることになる一方で、相乗効果はプラスとなる可能性がある。買収は日本に対してウィンがさらに大規模で真剣な候補者であるということを知らせることにもなり得る。そしてマサチューセッツ州はライセンスに厳しい条件を課すことを再検討するかもしれない。」と付け加えた。