IR誘致を続ける静岡県で悲喜こもごもの動きがあった。任期満了に伴う静岡市長選は7日投開票され、無所属で現職の田辺信宏氏(57)が3選を決めた。投票率は48.76%と、前回の48.42%を0.34ポイント上回った。日本経済新聞などが伝えている。
IR誘致を推していた元県議の天野進吾氏(77)は善戦及ばず落選したことで、静岡市はIRレースから脱落。これにより、ライバルでIR誘致に積極的な牧之原市が大きくクローズアップされることになる。
選挙戦では2期8年の田辺市政への評価が最大の争点となった。田辺氏は財政再建や子育て支援、災害対策などの実績をアピール。歴史文化施設など大型公共事業を軸に、にぎわいのある街づくりを進めると訴えた。
一方、天野氏は旧静岡市長で県議。今年2月の県議会定例会で一般質問に立ち、静岡市日本平へのIR誘致を訴えていたが、わずか6週間ほどで幻となった。
天野氏の77歳での首長挑戦は、都知事選に立候補した細川護熙(もりひろ)元首相やジャーナリスト鳥越俊太郎氏の76歳を上回る。