投資顧問会社のサンフォード・C・バーンスタインによると、ラスベガス・サンズ(LVS)の会長兼CEO、シェルドン・アデルソン氏ががん治療中であることは、驚くべき事でもなければ、懸念材料になるべきことでもないという。
LVSは先週金曜、アデルソン氏の体調不良に関する報道を認め、会社発表の中で、85歳の同氏が「現在受けている非ホジキンリンパ腫の治療の薬物治療からの特定の副作用に対処している」ことを明かした。
このニュースがすぐに世界中でトップ記事となった一方で、バーンスタインのアナリスト、ヴィタリー・ウマンスキー氏、ケルシー・ヂゥー氏、そしてユーニス・リー氏はその直後に、世界最大のゲーミング会社の1つであるLVSへのマイナスの影響の可能性は低いとし、LVSとマカオの子会社であるサンズ・チャイナの「両社が強固な経営陣を有しており、アデルソン氏が会長兼CEOの職務を果たせない場合の社内での後継者対応体制は整っている」とした。
バーンスタインは、アデルソン氏の義理の息子で長きにわたって最高執行責任者を務めるボブ・ゴールドスタイン氏や最高財務責任者のパトリック・デュモン氏、サンズ・チャイナ社長のウィルフレッド・ウォン氏、そしてシンガポールのIR、マリーナベイ・サンズとLVSの国際開発部門の両方を率いるジョージ・タナシェビッチ氏を含む経営陣について言及し、「組織の主要メンバーはサクセッション・プラン(後継者育成計画)に完全に組み入れられている」とした。
アナリストたちは、「アデルソン氏の体調が悪化しても、それがいずれかのサンズの既存事業(米国、マカオまたはシンガポールであろうと)にマイナスの意味合いを持つとは考えていない。またはアデルソン氏の不在の可能性は、将来的な日本でのIR入札におけるLVSのチャンスに何ら影響するものでもない」と付け加えた。
そして、「さらに、アデルソン氏の家族は現在LVSに51.3%の支配権を持っている。アデルソン氏が亡くなった場合でも、アデルソン一族による継続的な会社への支配を確実なものとするために、長きにわたって適切な財産権の仕組みが整えられてきた。将来的に物質的な権利喪失のリスクは一切見られない」と述べた。