マカオ司法警察局(PJ)は、越境賭博に関する中国本土の捜査の一環で27日(土)に逮捕された11人の中の1人が、チャウ姓を名乗る47歳マカオ居住者であるとし、「実業家」であること明かした。
PJの報道官は28日(日)午後の記者会見で、チャウ氏は違法なギャンブルやマネーロンダリングに関与しているとされる「犯罪組織」とつながりのある11人のうちの1人であり、現在「拘留者」に分類されている9人の逮捕者のうちの1人であるとメディアに語った。他の2人は、現在「容疑者」とされている。

11人の逮捕者の内訳は以下の通り。マカオ在住の男性8名:チャウ氏(47)、シト氏(37)、チョン氏(56)、マー氏(38)、チョン氏(46)、レオン氏(37)、ロイ氏(37)、ウォン氏(57)、マカオ在住の女性2名:ホー氏(30)、ウォン氏(37)、そして香港在住の男性1名:チャウ氏。
PJが27日(土)の夕方にNAPEにあるオフィスとコロアンの住居を訪れた後、彼らは拘束された。その際、300万パタカ(約4,266万円)の現金も押収されており、この記者会見の中で、コンピュータやUSBドライブ、手書きのファイル、多額の現金など、事件の多数の物的証拠品が公開された。

これらの逮捕者は全員、グループの「幹部」と呼ばれており、当局は特に「犯罪組織」または「犯罪集団」を意味する「犯罪集團」という用語を使用している。PJ曰く2020年4月から始まったこの捜査は、現在も継続して行われており、警察は関与の疑いがあるさらに多くの人物を捜索中である。この捜査では「犯罪組織」「違法賭博」「マネーロンダリング」に重点が置かれている。
PJの情報によれば、少なくとも1人の容疑者がオンラインゲーミングや「海外のカジノ」に関与していると認めている。
拘留者たちはさらなる調査と保釈可否の判断のために、直ちに検察院に送検された。PJは、この一連の手続きはマカオの法律に従い進められるが、中国本土の警察と協力して行っていくことを強調した。
この記者会見の後、逮捕者たちが警察に連行された。その際、手錠をはめられ、身元を隠すためのフードをかぶっていた。

温州市公安局による捜査結果で、「2007年以降、アルヴィン・チャウ氏とチョク・ワ氏がマカオのカジノでジャンケット事業者と契約しており、その上2016年にはフィリピンでオンラインギャンブル用のプラットフォームを立ち上げていた」ことが判明した。
「チャウ氏は違法な利益を上げるために、中国本土からの人材を株主レベルの代理人やギャンブル仲介業者として採用していた。同氏は、中国市民に自身が契約した海外ジャンケットを利用してギャンブルを行わせるために、また高い与信を与えてオンラインの越境賭博に参加させるよう組織化しながら、ギャンブル事業の推進や、輸送サービスおよび技術サポートの提供を行っていた。

同氏は、ギャンブラーが資金をギャンブル用チップに交換できるサービスを提供するために中国本土で資産運用会社を設立した。そしてギャンブル債務の回収や国境を跨いだ資金取引において顧客を支援し、ギャンブラーに提供するために地下銀行を利用した」と言われている。

27日(土)にマカオで警察車両の横に警官と一緒に立っている同氏の画像が出回った後で、地方当局はサンシティの幹部が「以前収集された証拠に関連する捜査を裏付けるため、マカオの警察官に同行するよう求められていた」と明らかにした。
また、現在ゲーミング監察協調局と経済金融長官によって見直しが図られているマカオのゲーミング法改正案に基づいたジャンケット事業者の規制を強化する計画についても言及し、次のように述べた。
「マカオのゲーミング業界に関わるすべての人々は、国とマカオの両方で規定された関連する法律を厳格に遵守する必要がある。マカオでの法律違反と見なされる行為は一切容認されることはなく、そのような行為は捜査対象とされることになっている。

同局によると、サンシティは2020年7月時点で、199人の株主レベルの代理人、1万2,000人以上のゲーミング開発仲介業者、中国本土に8万人以上の顧客を抱えていた。この一件は「賭博資金が莫大であり、我が国の社会秩序に深刻な影響与えた」とされ、同局は情状酌量のためにチャウ氏に自白するようを求めている。
マカオ政府では、ゲーミングプロモーターを管理するための比較的高度なシステムを整備されている。ゲーミング法を改正する際には、同政府はマカオの観光・エンターテイメント産業を健全かつ秩序あるやり方で確実に発展させることを目的として、ゲーミングプロモーターとその事業の監視を強化する予定である。
28日(日)の記者会見でマカオ司法警察局は、チャウ氏、サンシティのどちらの名前も特に挙げなかった。