一部の大手ゲーミング製品メーカーは、マカオの電子ゲーミング市場が2025年まで新型コロナ発生以前のレベルに戻らないことを恐れている、これはマカオ政府観光局が発表した観光客数に関する同様の予測を反映している。
アリストクラート、IGT、LTゲーム、サイエンティフィック・ゲームズの幹部らの参加を目玉とし、16日(水)に開催されたMGSサミットでのパネルセッションの間、マカオの回復への道のりが話題となった。またそれに続き、MGTOにより2017年の観光産業マスタープランへのレビュー報告書が先週発表された。その中では観光客数が2025年まで新型コロナのパンデミック以前のレベルの約90%にしか戻らない可能性があると示唆されている。
アジア地区のサイエンティフィック・ゲームズ副社長兼業務執行役員であるケン・ジョリー氏とLTGameの最高執行責任者のベティ・ザオ氏の両者は、スロットマシンが151.4億パタカ(約2,153億円)、ライブマルチゲームはさらに28.4億パタカ(約404億円)の収益を上げた時、セグメントが2019年のレベルに達するまでには数年かかると予測した。
ジョリー氏は次のように述べた「我々の考えでは、訪問者が変われば、再び成長は加速すると思うが、特に業界の電子ゲーミング界隈は、少なくとも2025年以降まで通常の状態に戻ることはない」。
ザオ氏はMGTOのレビューを参考にしつつ、「コロナ以前の古き良き時代に関して言えば、2025年には年間4,000万人近くの観光客が訪れるという政府の予測がある」と付け加えた。
すべてがそこまで悲観的というわけではなく、アリストクラートのロイド・ロブソン氏とIGTのマイケル・チアーズ氏の両者は、2023年までの強気な数字を予測している。
ロブソン氏は、「通過すべき重要な段階が3つあると考えている。1つは来年2月の北京冬季オリンピック。それから同年11月のCCP大会を経て、2023年の旧正月に向けていくらか勢いが増すと予想している」と述べた。
チアーズ氏は次のように付け加えた。「私も2023年の卯の年に同意見だ。2023年の第1四半期と第2四半期に我々は仕事に復活すると考えている。その時が、我々がニューノーマル時代に突入し、前向きなビジネス環境が作られる時だと考えている」。
同氏はまた、回復にはまだ時間がかかるかもしれないが、新型コロナの感染拡大により、電子ゲーミングサプライヤーにとって、プレイヤーがより安全なゲーミングオプションを探している最中に市場を育てる特有な機会になっていたと述べた。
IGTのアジア担当セールスディレクターは次のように述べている。「電子ゲーミングの分野が我々の市場で成長し続けていることは間違いない。これにはETGとスロット製品の両方が含まれている。
一部のフロアは、銀行などのレイアウト形式を取り、一定間隔や社会的距離に対応できるように再設計される可能性があるが、これからETG製品や高品質のスロット製品が伸びることは間違いないと思う。私は、お客様が提供中のゲームの電子形式にますます慣れてきていると感じている」。
ジョリー氏は、マカオの回復軌道は、主に新型コロナ後のカジノフロアがどのようになるかによって決定されると考えており、次のように述べた。
「我々はまだきちんと理解していない部分ではあるが、製品同士の距離を離した際、ゲーミングフロアや制限はどのようなものになるのだろうか。
現在マカオ市場を見回すと、[スロットエリアの] 41%〜52%の電子製品がすべてオフになっているが、そのフロアが変更・再調整され、我々が衛生局が何を望んでいるかを理解した時、カジノのフロアは劇的に変化するだろう。
それはまた、プレイヤーがどれだけの至近距離を好むかという点も反映するだろう。その距離はおそらく今までより少し遠くなり、製品のレイアウトも異なるものになる。連続バンク(通称:島)単位での配置ではなく、多くがポッドでの配置となるだろう。それにより、我々はフロアにあるすべての製品に再び電源を入れることが出来る」。