東京最高裁判所は、岡田和生氏がユニバーサルエンターテインメントに対して行った3件の不正行為について、2,130万円の損害賠償を命じた昨年の東京地方裁判所の判決に対する同氏の控訴を棄却した。
同社の最新情報によると、今回の控訴は、損害賠償金に加えて、2017年12月29日から遡って適用された年率5%の利息とすべての訴訟費用の支払いを命じた2020年2月の判決に対する最初の控訴に敗れた岡田氏が、2020年9月に申し立てたもの。
日本のパチンコメーカーであり、オカダ マニラの運営会社であるタイガーリゾート レジャー アンド エンターテイメント インクの親会社である同社は、岡田氏による3件の不正行為が判明した内部調査を受け、2017年11月27日に初めて訴訟を提起した。
同社は当時、「同氏による3件の不正行為に関連して、取締役としての義務を怠ったことで当社が被った損害の一部」の賠償を同氏に求めると述べていた。
問題となった3件の不正行為は、2015年にユニバーサルの子会社であるタイガー リゾート アジア リミテッド(TRA)から同氏が手配した第三者への1億3,500万香港ドル(約19億円)の融資で、個人的に使用するための資金を金利手数料をかけずに調達したこと、TRAから1,600万香港ドル(約2億2,600万円)の小切手を不正に調達したこと、そして韓国で統合型リゾート用の土地を購入していた事業体をTRAの子会社であるUEコリアから自身の100%出資会社であるオカダ ホールディングス コリアに変更して個人的な利益を得たことである。
その後、オカダ ホールディングスはUEコリアの資金を担保に土地購入のために8,000万米ドル(約88億円)を借り入れ、貸付金の金利に相当する173,562米ドル(約1,900万円)の経営コンサルタント料をUEコリアに請求した。
同氏は、別居中の妻である岡田孝子氏と息子の岡田知裕氏が同氏の会長解任に賛同した2017年6月の株主投票の結果、ユニバーサルの会長を解任され、取締役会から追放された。
ユニバーサルは9月17日(金)に、2021年9月15日付の最高裁判決が確定したと発表。また、同氏がユニバーサルを相手取り、名誉を毀損されたと主張した損害賠償請求訴訟は、同日に東京高等裁判所により却下されたと発表した。