長崎県は8月30日、九州・長崎IR(カジノを含む統合型リゾート施設)の優先交渉権者であるCASINOS AUSTRIA INTERNATIONAL JAPAN(代表企業名:CASINOS AUSTRIA INTERNATIONAL JAPAN 株式会社▽以下CAIJ)と、同日付けで基本協定を締結し、設置運営事業予定者として決定したことを発表した。
中村法道長崎県知事は、プレスリリースを通じてコメントを出した。
「このたび、『カジノ オーストリア インターナショナル ジャパン』と基本協定を締結し、設置運営事業予定者として正式に決定いたしました。
同事業者からは、ヨーロッパなど世界各国での事業実績を活かしながら、伝統的で高級感があり、ハウステンボスの景観とも調和した世界最高水準のIR実現を目指すという内容の事業提案をいただいており、来年4月28日が期限となっている認定申請に向け、区域整備計画の作成を着実に進めてまいりたいと考えております。
今後とも、ギャンブル依存症など懸念される事項の最小化に向けて万全の対策を図りながら、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた観光関連産業や地域経済の活性化、九州の地方創生、ひいては我が国の発展にも貢献できるよう、九州・長崎IRの実現に力を注いでまいります」
長崎県では、ことし1月から開始されていたIR事業者選定が8月10日に終わり、カジノオーストリアが優先交渉権者として選定されていた。今後は国への区域整備計画認定申請(10月1日から来年4月28日まで)に向けて調整を重ねる。
同社は、開業総事業費3,500億円、年間延べ来訪者数は840万人と想定。「東洋文化と西洋文化の融合 -真の和洋折衷を実現- をコンセプトに掲げ、九州・長崎の歴史文化を継承し、オーストリア国有企業グループの強みを活かした伝統的で高級感のあるIR施設、長崎を拠点として『観光産業革命』を実現し、九州、日本、アジア、世界、全てが融合する世界都市を目指す」としている。
CAIJ代表取締役社長 林明男氏は、同社のHP上で「非常に嬉しく、それと同時に身が引き締まる思い」「今後は、長崎県及び九州各県並びに地元等とも緊密に連携し、安心安全で九州全体に利する魅力的な九州・長崎IRの実現に向けて、全力で取り組んで参る所存です」と意気込みを見せた。
カジノオーストリア・インターナショナルCEO クリストフ・ツールッカー=ブルダ氏は「長崎県と共に準備を進めることができることを、とても嬉しく思う」「安心安全で、魅力的な九州・長崎IRの実現に向けて、長崎県、九州、地元の皆様にご指導いただきながら、我々のノウハウと専門性を最大限に発揮することを楽しみにしている」とコメントした。
さらには、オーストリア首相セバスティアン・クルツ氏や、経済産業大臣のマルガレーテ・シュラムベェック氏も同社HPにコメントを寄せている。
クルツ首相は「オーストリアの首相として、オーストリア企業が世界で活躍することを嬉しく思います。とりわけ日本とは政治的に非常に良好な関係にあります。それだけに、オーストリアの企業が日本市場で成功することを応援しています。この度、CASINOS AUSTRIA INTERNATIONALが日本へ参入することを非常に喜ばしく思います」と応援メッセージを贈った。
今回の基本協定について県の担当者は「事業者の負担費用、IR用地の取得に関する事項、コンソーシアムメンバーの廉潔性調査、資金調達などについて確認がなされ協定締結に至った」と明らかにした。