横浜港ハーバーリゾート協会会長の藤木幸夫氏(90)が3日、日本外国特派員協会で記者会見し、横浜市長選(8日告示、22日投開票)について持論を述べた。
藤木幸夫氏は、横浜港を中心に港湾荷役事業・倉庫荷役事業などを行う、藤木企業 代表取締役会長、横浜港ハーバーリゾート協会会長、横浜エフエム放送代表取締役会長。「ハマのドン」とも呼ばれ、政財界に強い影響力を持つ人物であり、横浜市が山下ふ頭に誘致を目指すIRに反対する急先鋒だ。
会見で同氏は「結論から言えば、誰が市長になろうとカジノはやらせません、港では」と強調した一方、「ただ、どこか横浜の端っこの端っこの端っこでほそぼそとやりますというならばそれも良し」と述べ、あくまでIR自体に反対なのではなく、山下ふ頭でカジノを営業することに強い拒絶感があることを伺わせた。
さらには「(IR推進派にも)人生懸けてる人はいっぱいいる」と理解を示した上で、「しかし横浜でカジノはやらせません。絶対やらせません。私は、カジノをやるときは、オープンの日に切腹して死にますから」と語気を強めた。外国特派員協会での記者会見でこの「切腹」という極めて日本的でセンセーショナルなワードをあえて使った真意は測りかねるが、海外勢には一体どう捉えられたのだろうか。
市長選について記者から質問が入る。
「藤木氏が支持を表明している元大学教授の山中竹春さんは、パワハラやアカハラが報じられた。FLASHの報道によると15人以上の大学職員、秘書、同僚が、山中さんが原因で辞められたそうだ。藤木氏は引き続き立憲民主党、日本共産党がバックアップする山中さんこそ横浜市長にふさわしいとお考えでしょうか?」
藤木氏は先月17日、山中竹春氏の支援団体などが集まる合同選対会議の初会合にて「山中さん(の支援)を頑張るつもりだ。この人に任そうと思う」と述べ、山中氏が関わる政治団体「横浜をコロナとカジノから守る会」の代表にも就任している。
だが、藤木氏はこう言い放つ。
「山中さんのことは、私は何も知りません」
「結論から言いますと、江田さんという今の議員(江田憲司衆院議員・立憲民主党代表代行)、あの人、また友達で、江田に任したの。もう誰でもいいよ。林(林文子横浜市長)以外なら誰でもいい。林は今もうロボットやってるんだから、(菅義偉首相の)操り人形だから」
さらに周囲を驚かせたのは「当選するのは八郎(小此木八郎・元国家公安委員長)でしょう。そりゃ八郎当選しなきゃしょうがないでしょう」と述べたことだ。支援を表明されていた山中竹春氏や立憲民主党の陣営はさぞ苦々しく思ったであろう。
横浜市長選をめぐり自民党横浜市連は、小此木氏への推薦を模索したが、いままでIRを推進してきた一部市議の反発を受けて見送り、自主投票と決めた。
藤木氏は「とにかく横浜の市会議員が、自民党の連中がカジノやろうやろうって(言っていて)」と批判した上で、「来年は地方選挙がありますからね。それで、もうおまえたち全部落とすからと。投票やるほうじゃなくて、落とす運動を、皆さん見ててください、横浜でやりますから。あいつには票を入れるなって。それでリストを発表しますから」と述べた。
果たして、この会見は海外勢の目にはどう映ったのであろうか。