米国のゲーミング大手ラスベガス・サンズ(LVS)の元パートナーは、マカオの裁判所に120億米ドル(約1兆3,110億円)以上の損害賠償を求めることになり、両者の長きにわたる法廷闘争が、来週にマカオで次章を迎える。
台湾のビジネスマン、マーシャル・ハオ氏が率いるアジアン・アメリカン・エンターテインメント・コーポレーション(AAEC)は、2002年にLVSがマカオのカジノライセンスの共同入札から離脱し、代わりにギャラクシー・エンターテインメント・グループと提携したことによる契約違反の疑いで、約965億マカオパタカ(約1兆3,110億円)の賠償を求めている。LVSとギャラクシーの共同入札は、最終的に成功したものの実現には至らず、その分裂が注目を浴びたことで、ギャラクシーはゲーミングコンセッションを、LVSはマカオ初のサブコンセッションを獲得した。
AAECは、2007年に初めてネバダ州のラスベガス・サンズ、ベネチアン・カジノ・リゾーツLLC、ベネチアン・ベンチャー・デベロップメントLLCに対して法的措置を開始したが、原告が訴訟を起訴せず、弁護士を雇わなかったため、2010年に却下された。
その後、2019年1月にベネチアン・マカオ・リミテッド、ラスベガス・サンズ・ネバダ、ラスベガス・サンズLLC、ベネチアン・カジノに対し、30億マカオパタカ(約411億円)の損害賠償を求める訴訟をマカオ法務協議会に提出したが、その半年後には請求額を965億マカオパタカ(約1兆3,110億円)にまで大幅に引き上げている。AAECは当時、修正後の請求額は2004年から2018年までの逸失利益を対象としており、2022年のLVSのコンセッション満了までの利益についても請求する権利を留保していると述べていた。
ロイター通信が6月9日(水)に報じたところによると、この請求額は、その間にLVSがマカオのコンセッションを通じて得た利益の約70%に相当するとのこと。
また、ハオ氏の言葉を引用し、「アジアン・アメリカンは、2012年にマカオで訴訟を起こして以来、すべての主要な法廷闘争に勝利しており、今回も勝訴は確実だ」とも報じた。
LVSは2019年に、「この訴訟にはメリットがないと一貫して主張してきた。最終的には、マカオの司法手続も同じ結論に達すると確信している」 と述べている。
裁判は6月16日(水)に開始予定。