大阪府・市は誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の事業者に求める条件などをまとめた「実施方針」を確定し、追加公募を始めると19日発表した。日本経済新聞が伝えたもの。来月6日まで受け付ける。
府・市は2月、実施方針案を修正し、部分開業を2020年代後半とすることや展示施設などの段階的な整備を容認。選定日程を含め条件が大幅変更となり、公平性の観点から追加公募する。
大阪IRには「米MGMリゾーツ・インターナショナル」と「オリックス」の共同グループのみが参加登録している。追加公募に応じる事業者の有無にかかわらず、7月ごろに提案書類の提出、9月ごろに事業者を決める予定。府・市両議会の同意などを経て、22年4月ごろに区域整備計画の認定を国に申請する。認定されれば、23年度以降に事業者が着工することを想定する。果たしてMGMに対抗するグループは現れるのか?
IRはカジノ、国際会議場、展示施設、宿泊施設などが一体となった観光施設。政府は誘致を目指す自治体から21年10月~22年4月に申請を受け付け、候補地から最大3カ所の整備地域を選ぶ方針。IR実施法はカジノとともに中核5施設の完成を開業の条件としている。同法施行令では①展示施設は2万平方㍍以上②宿泊施設は客室の総面積が10万平方㍍以上――などとなっている。
府・市は新型コロナウイルスの影響を受ける事業者側に配慮。実施方針では、最終的には国の基準を上回る「世界最高水準」の規模を求める方向は変えなかったが、展示施設は▽開業時に2万平方㍍以上▽開業後15年以内に6万平方㍍以上▽事業期間(国の認定から35年)内に10万平方㍍以上――とした。宿泊施設も開業時は国の基準を満たせばよく、府・市が求める水準にするのは事業期間内とした。
IRを巡っては国内最大3カ所での開業を目指しており、長崎は第1次審査を終え、3者に絞り込まれたところ。和歌山、横浜も名乗りを挙げている。