カンボジアのカジノタウン、シアヌークビルが市をまたいだ移動を無期限で禁止している。市は新型コロナウイルス感染拡大の制圧に躍起になっている。
金曜のシアヌークビル州役所の発表によると、今回の禁止措置によって、シアヌークビルを行き来する移動が今後通知があるまで停止され、免除されるのは救急車と物資の輸送トラックのみとなる。しかしながら、車両については当局による綿密な調査の対象となる。
カンボジア保健省は金曜、シアヌークビルで18人の新規感染者が出たことを報告しており、その全員が2月20日のプノンペンでのホテル隔離違反に関係している。日曜までに同市のクラスターは95人にのぼっている。
また、新型コロナの感染多発地域として、多数のホテルやカジノなどを含むシアヌークビルの34か所の名前が挙げられており、ホテル、アパート、カジノ、ビルおよびショッピングモールなどの別の29か所は隔離施設として占領されている。
州役所は移動禁止のニュースの後、声明を出し、「これは州政府が感染拡大を制圧し、患者と接触した人や感染多発地域を訪れた人を探せるようにするために必要な措置だ」と述べた。
カンボジアは2020年、新型コロナの世界的感染拡大をほぼ食い止めており、1年を通じて確認された感染者数はたった378人だった。しかしその数字は過去2週間だけで倍以上に膨れ上がり、今回の新たなクラスターに関係した感染者数は477人にのぼっている。これまでで国内最大となる今回の感染拡大は、4人の中国人が2月20日に賄賂をわたして隔離ホテルを抜け出し、複数のナイトクラブを訪れたところから始まったと言われている。その中国人のうちの2人が後に新型コロナウイルス検査で陽性判定を受けた。
今回の急速な拡大によって、プノンペンにある統合型リゾート、ナガワールドでは先週11人のスタッフが陽性判定を受け、営業を停止した。
クメールタイムズは先週、首都から50km南に位置するカンダル州当局が、2月20日の出来事に関わった「Yong Yuan casino」の客1人が検査で陽性となったことを受けて、723人の客および従業員がカジノから出るのを制止し、隔離状態に置いていると伝えた。
カンダル州のコン・ソポン(Kong Sophorn)知事は、「地元当局は、安全確保のためにこのカジノを警備しており、14日間の隔離期間中ロックダウン下に置き、カジノから誰一人出ることを認めていない」と述べた。