株式会社ユニバーサルエンターテインメントが親会社株主に帰属する当期純損失(連結)が192億1,800万円にのぼったことを報告した。新型コロナウイルス感染症がフィリピンの統合型リゾート、オカダ・マニラに与えた深刻な影響によって遊技機事業での伸びは相殺された形となる。
金曜同社が発表した20年度決算短信によると、オカダ・マニラでは、新型コロナ感染拡大の結果として2019年には714億800万円あった売上高が、2020年度は276億9,900万円へと61.2%減少した。フィリピン政府は3月15日に全カジノの閉鎖を命じ、その後6カ月近くが経過した9月9日に3割の能力での営業再開が認められた。その制限は現在も継続して実施されている。
その結果、オカダ・マニラの2020年度セグメント損失は90億3,400万円にのぼり、IR事業の調整後EBITDAは26億5,200万円となった。2019年はそれぞれ13億9,000万円と132億2,100億円だった。
ユニバーサルは、2021年にオカダ・マニラでのゲーミング粗収益は継続して回復するものの、「ゲーミング事業への営業規制は未だに残っており、また海外渡航者の受け入れの制限も未だに残っています。
オカダ・マニラのビジネスは、このような困難に対しても柔軟に適応し、対応してまいります。また、新型コロナウイルス感染症の影響は依然収束しておらず、感染防止の観点から衛生管理を引き続き高い水準で維持してまいります」と説明した。
皮肉にも、この影響は2020年ユニバーサルの遊技機事業にはプラスに働いたことが証明されており、同事業では売上高は前年比19.6%増の617億9,200万円、営業利益は88.5%増の203億8,000万円にのぼった。
ユニバーサルはその売上高増加の理由を、「技術上の企画解釈基準」が変更されたこと、そして複数の新ゲームタイトルを発売したことだと説明した。
同社は2020年の遊技機新規販売台数が139,152台であったことを報告した。