クラウン・リゾーツが22億豪ドル(約1,780億円)のクラウン・シドニー開発のためにニューサウスウェールズ州でカジノライセンスを保有するのに適しているかどうかを調査したレポートによって、豪ゲーミング大手の同社とその現地ライセンス保有会社は保有に不適格だと判断された。
しかしながら、クラウンには有意義な改革を行うことで適格となる余地があるかもしれない。
クラウンカジノでの資金洗浄疑惑、および同社がマカオのカジノ事業者であるメルコリゾーツ&エンターテインメントに19.99%の株式を売却することに合意したことでNSWカジノライセンスに違反したという疑惑への調査が完了したことを受けて、火曜、待望のバーギンレポートが公開された。調査ではクラウンのジャンケットパートナーがアジアの犯罪集団とつながっていたという疑惑、そして中国本土で賭博を不法に宣伝したとしてクラウン・リゾーツの従業員が2016年に逮捕された件に重点が置かれた。
コミッショナーのパトリシア・バーギン氏は、レポートの中で、「資金洗浄に手を貸し、従業員を外国で拘束されるリスクにさらし、そして暴力団や組織犯罪集団と繋がりのある個人と商業上の関係を追い求めるといったクラウンの厳しい現実のような属性を持つカジノライセンス申請者が前向きな結果に確信を持つことはないだろう。そのような属性は、ニューサウスウェールズでカジノライセンスを保有するにあたって、申請者を不適格とするであろうことは明らかだ。
これらあまりにあからさまな事実と厳しい現実は、同ライセンス保有者がバランガルーのライセンスを継続して実際に使用するのに適格ではなく、クラウンがそのライセンス保有者と近しい関係にあるのに相応しくないことが明らかだということを示唆している可能性があり、(中略)それらはクラウンの取締役会が現在の構成で今後も存続していくことに関して、抵抗することができない終焉の前触れとして現れている可能性がある」と述べている。

バーギン氏は続けて、当局への報告のために準備された質問は、カジノライセンス保有の適格性およびライセンス保有者に近しく関わることへの適格性にのみを取り扱ったものであり、「ライセンスが取り消し、停止または条件付きとなるかどうかの最終判断は細かく言えば、(NSW独立酒類・ゲーミング局の)見解の問題であるという意見を述べている。

特に、レポートはメルコリゾーツへの株式売却がクラウンによるNSWカジノライセンス違反であるとは判断していない。

しかしながら、同レポートは「ゲーミングやカジノの現存の、そして新たに現れるリスクに合った必要な枠組みを持つ専門家による独立した独自のカジノ規制機関」として新たに「独立カジノ委員会(ICC)」を設立するよう提言している。 ICCは、「近代環境におけるカジノ規制の複雑性に対応できる資格を持った相応しい」委員で構成される常任の英国審議会の権限を持つことになるだろう。
同レポートはまた、NSWカジノ管理法への多くの改正も求めており、NSWの全てのカジノ事業者にジャンケットとの取引を禁じることなども含まれている。
独自の発表を行ったNSW独立酒類・ゲーミング局は、今週2月12日金曜に行われる特別会合でレポートを検討し、再び2月17日の通常の月次理事会でも検討すると述べた。