クレディ・スイスのアナリストたちは、香港に上場するサミット・アセント・ホールディングスのカバーを開始し、「Outperform」の格付と、現在の株価の倍近い目標株価を出した。その理由として同社が過半数を保有するロシアの統合型リゾート、ティグレ デ クリスタルでの高い伸びの見込みを挙げた。
今回の格付引き上げは主に、サンシティグループの存在がベースになっている。サンシティは、アジアの主要ジャンケット事業者で、その上場子会社がサミット・アセントの69.7%を保有し、サミット・アセントはティグレ デ クリスタルの事業者であるオリエンタル・リージェントの67.5%を保有する。
ケネス・フォン氏、ロク・カン・チャン氏、レベッカ・ロー氏の火曜のレポートによると、サンシティがコロナ禍からの急速な回復を後押しし、ティグレ デ クリスタルでは2021年にそのGGRが2億7,000万香港ドル(約36億1,887万円)から12億1,000万香港ドルへとおよそ349%増加し、2022年には22億香港ドルへとさらに81%増加する予測だという。
アナリストたちはこのように書いている。「サミット・アセントは、その強固なバランスシートがサポートとなって、2021年を皮切りに直接的なVIPビジネスを構築し始める。
未活用のホテル客室をより活用するために、サンシティはカジノに新たなプレミアムマスエリアを設置するサポートをすると提案している。
我々は、GGRが2021年と2022年に3.5倍/81%成長すると予想しており、それぞれの年のGGRがサンシティのコロナ前水準の2%と4%になるだけで可能となる。
一連の投資と今年のライツ・イシューを通じた出資率の増加、そしてロシアへの手数料の引き上げがあった後、サンシティが同カジノにさらに多くのビジネスを持ってくることは経済的に理にかなっている」と話す。
ティグレ デ クリスタルが、マカオのカジノに対する実効税率39%に対して、ロシアではGGRへの実効税率が2%であるなど、地域の競合他社に対して様々な競争優位性を享受する一方で、クレディ・スイスはサンシティの影響力は同社の株価でにおいてまだ実感されていないと指摘する。
特にティグレ デ クリスタルは、サンシティが明確にその意識を集中させているプレミアムゲーミング層にアピールするとアナリストたちは見ている。それを踏まえて、成長の大部分、具体的にはGGRが2020年の6,200万香港ドルから2021年の7億600万香港ドルへと11倍に、その後2022年には最大で16億6,000万香港ドルにまで増加するような成長が起こるとクレディ・スイスが予想しているのがVIP部門だ。
アナリストたちは、「我々はサンシティグループには、将来、サミット・アセントカジノにビジネスを連れてくるより大きな動機があると見ている。これは、同社がグループの子会社であるということがだけでなく、より高いマージンもその理由だ」と述べた。そのマージンは、税の柔軟性によってマカオの5.5%に対して最大20%とも言われる。
クレディ・スイスは、サミット・アセントがサントラスト・ホーム・ディベロッパーズに持つ6%の新株予約権付社債からも、長期的に利益を得るはずだと述べている。サントラストは、サンシティのフィリピン法人で、間もなく7億米ドルのホテルおよびカジノ施設をマニラのエンターテインメントシティ地区に開発する。