マカオのゲーミングプロモーター、タク・チュン・グループのレヴォ・チャンCEOが、マカオ・レジェンド・デベロップメントの一般株主が現在保有する全株のための無条件現金買付義務を実施すると見られており、個人の持ち株をおよそ49.94%にまで引き上げる可能性がある。
今回の買付義務実施の前の先週、チャンCEOは、自身が100%を所有する投資会社、パーフェクト・アチーバー・グループを通じて、総額12億8,000万香港ドル(約172億円)でマカオ・レジェンドの20.65%の株式を取得し、その持株比率を20.75%へと引き上げていた。
マカオ・レジェンドの月曜朝の報告書によると、パーフェクト・アチーバー・グループには、香港の買収規約(Takeover Code)の下で、一般保有されている全株に対して買付提案を行うことが義務付けられており、それには匿名の株主が保有する29.08%と取締役のカール・トン・カ・ウィング氏が保有する0.11%が含まれている。
しかしながら、今回の買い付けによって、チャン氏が、創業者で会長のデイビッド・チョウ(周錦輝)氏、CEOのメリンダ・チャン氏、取締役のシェルドン・トレイナー氏およびリ・チ・キョン氏、またはチョウ氏の母で元取締役のマダム・ラム・フォン・ゴー氏といった主要幹部が現在保有する株式の所有権を得ることにはならない。また、SJMホールディングスの子会社であるヴァスト・フィールド・インベストメンツが保有する3.37%の株式も含まれておらず、既にその全員が株式売却を行わないという誓約書に署名している。
代わりに、マカオ・レジェンドは報告書の中で、ヴァスト・フィールド・インベストメンツを除いて、チャン氏は、まとめて「買付者株式協調買い占めグループ(Offeror Concert Party Group)」と呼ばれるグループと協力すると述べた。同グループは合計で総発行済み株式数の67.44%を占める。同社はチャン氏が「買付者株式協調買い占めグループのリーダーにもなる」と明かした。
残りの株主全員がチャン氏に提案価格である1株当たり1.05香港ドルで持ち株を売却することに合意した場合、同氏は総額19億香港ドル(約255億円)でさらに1,809,896,655株を取得することになる。
マカオ・レジェンドは報告書の中で、チャン氏には同社の既存事業に大幅変更を行う、または従業員を解雇するといった意図はないものの、その業務と財務状況の見直しを実施し「グループの長期的な事業開発のための事業計画および戦略を策定し、グループにとっての他の事業機会を模索する予定だ」と述べた。
チャン氏はまた、買付義務完了次第、新たな取締役に3人を指名することも求める予定で、ドナルド・チョウ氏、シェルドン・トレイナー氏そしてカール・トン氏の全員が取締役を辞任する。
デイビッド・チョウ氏とメリンダ・チャン氏はそれぞれ会長とCEOの職を保持する。
マカオ・レジェンドは、SJMのライセンスの下で同社のマカオ・フィッシャーマンズ・ワーフ地区内に建つレジェンドパレスとバビロンにあるカジノを運営し、ラオスにあるサヴァン・レジェンド、そして横琴島のショッピング施設も運営している。