香港に上場するサミット・アセント・ホールディングスは、今年の第4四半期にロシアの統合型リゾート、ティグレ デ クリスタルの2億米ドル(約212億円)の第2フェーズ建設を開始する予定だと話す。
ただし、同社は、ティグレ デ クリスタルの第2フェース拡張計画の規模は拡大させないことを選び、代わりに他のゲーミングおよびエンターテイメント市場への投資で収益源を多様化することを選んでいる。
昨夜、サミット・アセントは2020年上半期の業績発表で収益が9,600万香港ドル(約13.1億円)へと63%減少し、4,700万香港ドル(約6.4億円)の損失を計上したことを報告した。その中で事業に関する最新情報を提供した同社は、現在第2フェーズの総コストは2億米ドルと予測されており、そのうちの1億2,000万米ドル(約127億円)を、ティグレ デ クリスタルを運営するオリエンタル・リージェントへの60%の持分を基に投入すると述べた。
同社は、「最近のサンシティからの指示による再設計のために、当グループは土地区画10でのティグレ デ クリスタル第2フェーズ開発のコンセプトデザインの見直しと仕上げに取り組んできており、2020年第4四半期に建設工事を開始する予定で2022年のオープンを目指している。
この新統合型リゾートは、当グループのVIPおよびマスゲーミングテーブル、スロットを倍にすると予想されており、少なくとも既存施設の2倍の宿泊人数定員がある。それに加えて4つのレストランおよびバー、追加の小売サービス、そして屋内ビーチクラブとスパが含まれる予定。ティグレ デ クリスタルの第2フェーズ開発によって、当グループは、特に近い将来、プリモリエ統合型エンターテインメント特区(IEZ)にある他のカジノ事業者が事業をオープンさせた際に、顧客を引き寄せ、繋ぎとめるのに有利な立ち位置にいることができる」と述べた。
しかしながら、サンシティグループホールディングスが24.74%を保有するサミット・アセントは、以前発表したサントラスト・ホーム・ディベロッパーズへの投資の方を選択し、ティグレ デ クリスタルのこれ以上の拡大は行わないことを選んだことを明かした。サントラストはサンシティのフィリピン上場子会社で、マニラのウェストサイドシティ・リゾートワールドで8億米ドルをかけてホテル及びカジノを開発することになっている。
サミット・アセントはサントラストの8億4,700万香港ドル(約116億円)の転換社債型新株予約権付社債を購入予定で、ライツ・イシュー(株主割当増資)によって支払われる。それによってサンシティは12億4,000万香港ドル(約170億円)の費用でサミット・アセントの持株比率を69.78%へと引き上げる。
同社は、「取締役会がロシア連邦にあるティグレ デ クリスタルの長期的展望について慎重ではあるも前向きな姿勢は崩していない一方で、当グループの単一の収益源と立地への依存を低下させるために、資産と収益源を多様化することがグループにとって最善であるという見方を持っている。
地理的多様性の観点から、当社はグループの既存事業を拡大させ、大きな成長のチャンスがある新市場の開拓のために、他の事業機会を模索してきた。サントラストへの投資は、(中略)フィリピンのカジノ・エンターテイメント市場で当グループの拠点を確立するための最初の1歩であり、この成長するマーケットへの当グループの参入を可能にさせ、サントラストおよびサンシティと提携する中で観光関連事業全体に相乗効果を与えてくれる」と述べた。
取締役会は、「多様化の達成を目的とした今回の購入のためのライツ・イシューから得られる調達額の投資の部分は、ティグレ デ クリスタルの第2フェーズ開発の現在の規模を拡大させるよりも、説得力があると考えている」と述べた。
サミット・アセントは、グループが20年上半期に2,210万香港ドルのマイナスの調整後プロパティEBITDAを計上したが、2020年6月末時点で銀行からの借り入れはなく、手元に8億1,670万香港ドルの現金がある健全な財務状態を維持していると述べた。