IR(統合型リゾート施設)の汚職事件をめぐる証人買収事件で、贈賄側に提示された買収資金とみられる現金が東京地検特捜部に押収され、秋元司衆議院議員の指紋が検出されていたことが分かった。NHKが報じた。
秋元容疑者は、IRの汚職事件をめぐっていずれも会社役員の淡路明人容疑者や佐藤文彦容疑者と共謀し、贈賄側の中国企業(500.com)元顧問の紺野昌彦被告に裁判でうその証言をする報酬として現金2,000万円を渡そうとしたなどとして、組織犯罪処罰法違反の証人等買収の疑いが持たれている。
報道によると、紺野元顧問と実際に面会して偽証を働きかけたのは佐藤容疑者で、ことし7月の面会の際には現金2,000万円を持参し、紺野元顧問は現金をいったん受け取ったあと、佐藤容疑者に返却したという。佐藤容疑者が逮捕された際の捜索で、この買収資金とみられる現金が東京地検特捜部に押収され、その一部から秋元議員の指紋が検出されたという。
特捜部の調べに対し、淡路容疑者は「贈賄側に渡そうとした現金のうち1,000万円は秋元議員が用意した」と供述しているという。特捜部は、現金に残されていた指紋は秋元議員の証人買収への関与を示す有力な証拠とみて慎重に捜査を進めているとみられる。