オーストラリアのクラウン・リゾーツが、新型コロナウイルス感染症による旗艦施設クラウン・メルボルンの3月23日からの休業から大きな打撃を受けて、2020年6月期、EBITDAが40.6%減、そして税引き後純利益が80.2%減となったことを報告した。
水曜に20年度の決算を発表したクラウンは、オーストラリアにあるリゾート(クラウン・メルボルンとクラウン・パース)で収益が25.7%低下し22億1,000万豪ドル(約1,685億円)となったことで、EBITDAは5億460万豪ドル(約385億円)、利益はたった7,950万豪ドル(約60.6億円)となったことを明かした。この結果はVIP部門での多少の幸運に助けられており、取扱高は204億豪ドル(約1.55兆円)へと46.5%減少するも、収益は3億9,820万豪ドル(約303.5億円)の26.0%減だった。
豪リゾートのメインゲーミングエリアの収益は26.9%減の12億4,000万豪ドル(約945億円)、非ゲーミング収益は22.7%減の5億8,150万豪ドル(約443億円)となった。
クラウン・メルボルンが市全域での新型コロナウイルス感染拡大第2波を受けて、現在も休業を続ける中、同社は、8,160万豪ドル(約62.2億円)の休業経費を報告した。ここ数カ月間、メルボルンは国内の新型コロナウイルス感染拡大のホットスポットとして浮上していた。その費用は、賃金補助金の4,340万豪ドル(約33億円)と連邦政府の雇用維持(JobKeeper)制度からの給付金6,790万豪ドル(約52億円)がなければ、その費用はさらに増えていた可能性があり、クラウンで働く1万1,500人の従業員は3月以降何らかの形で一時帰休させられている。
クラウンのケン・バートンCEOは、「相応しい時期が来た時に、安全に営業再開できる方法について今後も政府および衛生当局と協力を続けていく。この状況を踏まえて、クラウンは長引く休業期間を耐える余裕がある状態でいられるよう、これまで流動性の管理に全力を注いでいる。もう一度、リレーションシップ銀行からこれまでに受けてきた支援、今年実施されている新しい相対融資、そして年度末後の新たな融資制度実施に対して謝意を示したい」とコメントした。
バートン氏は、同社が22億豪ドルをかけて行うクラウン・シドニー開発は、12月からの段階的オープン開始に向けて変わりなく順調に進んでいると述べた。