マカオのコンセッション保有者であるSJMホールディングスが、20年1-6月期に14億1,000万香港ドル(約191億円)の損失を計上した。新型コロナウイルス感染症の深刻な影響を受けて、前年上半期の16億8,000万香港ドルの利益から184.1%という大幅減となった。
マカオの入境口が3月27日から7月15日まで原則閉鎖され、1月下旬からの訪問者数が極めて少なかったことで、SJMのゲーミング粗収益は74.4%減の43億7,000万香港ドル(約593億円)、そして調整後EBITDAは147.3%減のマイナス9億8,400万香港ドルとなるなど全市場区分で大きな打撃を受けた。しかしその傷が最も深かったのはVIPだった。
SJMは第2四半期の具体的な数字は提供していないものの、以前発表した20年第1四半期業績から、同社が20年第2四半期に10億香港ドル(約136億円)の損失に苦しんだこが分かっており、GGRはたった4億3,400万香港ドル、調整後EBITDAはマイナス7億8,400万香港ドルに落ち込んだ。
2020年上半期、セグメントの中で最も大きく減少したのがVIPで、チップ販売は84.5%減の373億香港ドル、GGRは81.6%減の13.7億香港ドルとなった。マカオのVIP総ゲーミング収益の中で同グループのVIPGGRが占める割合はおよそ8.6%で、前年同期間の10.7%から縮小した。
同社は、サテライトおよび他の自社運営カジノでの国民によるプレイでマスマーケットシェアは少し伸ばしたものの、マステーブルGGRはそれでも73.5%減の33億香港ドルで、スロットマシン収益は59.2%減の2億3,500万香港ドルだった。
施設別では、旗艦施設のグランド・リスボアでGGRが80.7%減の13.3億香港ドルとなり、20年上半期は4億4,600万香港ドルの損失、そして調整後EBITDAはマイナス3億6,900万香港ドルとなった。ホテル稼働率は2019年上半期の94.8%に対してたった18.9%だった。
SJMの他の自社運営カジノ、カジノ・リスボア、カジノ・オシアナス、カジノ・イースタンおよびカジノ・タイパは、GGRが71.4%減の8億6,400万香港ドル、損失は5億4,100万香港ドル、そして調整後EBITDAはマイナス3億4,600万香港ドルになったことを報告した。その中でVIPのGGRは84.2%減の9,200万香港ドルだった。
SJMのライセンスの下で営業するサテライトカジノでは、GGRが74.4%減の27億香港ドル、損失は1億500万香港ドル、そして調整後EBITDAはマイナス7,600万香港ドルとなった。
SJMは、同社が51%の株式を持つソフィテルマカオ アット ポンテ16の収益が19年上半期の1億200万香港ドルに対して、2,300香港ドルであったことにも言及した。