ラスベガス・サンズ(LVS)のロブ・ゴールドスタイン社長兼COOは、今年ビジネスが通常の状態に戻り始めると、同社のシンガポールのリゾート、マリーナベイ・サンズ(MBS)でのカジノ営業は、マカオでの営業よりも社会的距離措置による影響を受ける可能性がはるかに高いと警告している。
LVSは今週、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によるカジノ閉鎖と渡航制限の結果として、2020年1-3月期の純収益が51.1%減少したことを報告しており、その中にはマカオでの65.1%の減少が含まれている。
マカオ時間木曜に行われた20年第1四半期業績発表の中で、大きな利益を生み出すアジア事業がいつどのように回復していく可能性があるかを聞かれたゴールドスタイン氏は、6月までに客が戻ってくることへの自信を覗かせたものの、シンガポールではスペースの制限によって、問題がより大きくなる可能性があると指摘した。MBSにはテーブル約570台、スロットマシン2,400台が設置されているのに対して、マカオのサンズ・チャイナにはテーブル1,670台、スロットマシン5,900台が設置されている。
ゴールドスタイン氏は、「シンガポールでは、(営業停止前)社会的距離が影響を及ぼした。というのも営業規模という点で限られているからだ。将来的にシンガポールで影響が出ると考えている。
問題はその社会的距離措置がどれくらいの期間実行されたままになるのかということだが、それについてはわからない。しかし、影響は出る。シンガポールに関してはマイナスの影響が。
マカオでは、営業規模と広さによってかなり異なる状況にある。かなりの広さがあり、はるかに多くのスロットマシンとテーブルが置かれている。だからシンガポールよりもマカオでのビジネスの方が社会的距離にはるかに上手く対処できる。
マカオでは、一旦営業を再開して、14日間の隔離措置が終了し、IVS(個人訪問ビザスキーム)が復活すれば、かなり上手くやることができ、社会的距離は最小限の影響しか持たないだろう。シンガポールは、逆に社会的距離の影響を受けることになるだろう」と述べた。
ゴールドスタイン氏はまた、マカオの賀一誠行政長官が今週、政府が中国政府およびお隣の広東省と、今後数週間中の入境制限緩和の可能性を協議していると正式に認めたことで、同社のアジア事業は、ラスベガスよりも年後半の急速な回復に向けてはるかにいい状態にあるようだと述べた。
「恐らく5月、または6月には何らかの営業再開はあると考えている。スイッチを入れるだけというわけにはいかないが。
段階的なプロセスになるだろう。有難いことの1つが、当社の収入の大半が、ご存じの通りこの状況を通り抜けてきたアジアから発生しているという点だ。
彼らは今回の問題により精通しており、ギャンブルへの復帰、来場者数の回復は、夏を通じて段階的にではあるが予想以上に早くやってくると考えている。
今年の夏にはさらに良い状態に、秋にははるかに良い状態に戻っているということにかなりの確信を持っており、いつになるのかと尋ねている顧客からものすごい繰延需要の兆候を感じており、かなり頻繁に彼らと話をしている。
だから、まずはマカオの復活についてかなりいい感触を持っている。アメリカをはるかに上回るレベルの回復になるだろう」