マカオの賀一誠行政長官は、マカオにある6社のゲーミングコンセッション保有者の1社も、その統合型リゾート内の宿泊施設を隔離場所として提供することに合意しなかった事について不満をもらし、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大は関係者全員にとっての試験だと説明した。
行政長官のこの発言は、マカオ国境で実施されるさらに厳しい規制に関する説明があった火曜朝の記者会見の中でのもので、その前に政府は隔離場所として8つのホテルの名前を挙げていた。その8つのホテルは、ポサダマリーナインファンテ、ゴールデンクラウンチャイナホテル、リージェンシーアートホテル、グランドコロアンリゾート、トレジャーホテル、メトロポールホテル、グランドラパマカオ、そして2つ星のゲストハウス、サントゥンフォンコマーシャルイン。
行政長官は、「継続して隔離場所に指定できるホテルを探していくが、統合型リゾート内のいずれのホテルとも連絡が取れない。飲食やビジネス営業に影響が出るために、ぎりぎりまで統合型リゾートのホテルを利用したくはないが、今現在利用できるホテルをさらに見つけるのが非常に難しくなっている。
以前、我々は15日間ゲーミング業界を営業停止にし、ゲーミング事業者6社はこの期間中従業員に給料を支払い続けることを保証してくれた。彼らはまた、政府やその他多くの社会支援団体に大量のマスクや物資を寄付してくれた。ゲーミング事業者6社からのこの貢献には本当に感謝している」と述べた。
賀行政長官は、新型コロナウィルス感染症がマカオ政府にとってだけでなく、「ゲーミング事業者6社にとっての」試験でもあると強調した。
「事業者たちは本当の意味での企業の社会的責任(CSR)とは何なのかを再考すべきだ。CSRは紙面での広報や人々に多くの物資を寄付するというだけのものではない。社会全体が課題に直面したとき、我々は一緒に大きな責任を担い、共有しなければならない」と述べた。
マカオの現行法では、緊急時には政府がホテルを接収することを認めているが、行政長官は絶対に必要とならない限り政府のその権限を行使したくない考えで、代わりに事業者たちには自主的に政府をサポートするよう要請している。
行政長官は「3,000室あるホテルを見つけられれば、かなり楽になるだろう。その代金は支払う。タダで使わせろとは言っていない。ゲーミング事業者たちがしてきたことは、マカオの住民がその目で見、心に留めておく」と述べた。
しかしながら、賀行政長官は、CSRは、近く迫るゲーミングコンセッションの更新とは直接的に関係はないとしながらも、新しいゲーミングライセンスには、CSR活動強化の条件が含まれる可能性がある。
それまで、政府は隔離のために接収した8つのホテルの利用を続け、SJMもリージェンシーアートホテルに隣接するカジノ・タイパを閉鎖している。
今から3月31日までに、マカオ居民IDカード保有者およそ680人が香港経由でマカオに戻ってくるにあたって、政府は隔離のためにさらに多くのホテルが必要になると予想している。