香港・マカオで急成長を遂げているIR事業者「サンシティ・グループ」のアルビン・チャウCEOが25日、日本での参入を目指す候補地として和歌山県に特化することを明言。「和歌山IR2.0構想」を披露し、「MICE」施設などを含めて、IR施設の建設を計画していることを明かした。
「サンシティ・グループ」のアルビン・チャウCEOは大阪市で開かれた「IRゲーミングEXPO2019」で記者会見。日本のマスコミに応じるのは初めてとあって、注目度は高かった。その中で45歳の若き総帥は和歌山県に特化する理由として「和歌山には日本の伝統、文化がある。大阪や横浜に比べ、人口は少ないが海、山と多くの自然が残されており、それらをいかしたリゾート型の施設を計画している。地方創生を目指す国の考えと一致するはずだ」と自信をのぞかせた。

サンシティは起業からわずか12年で急成長し2015年にはロシア・ウラジオストックにティグレ デ クリスタルの所有者、サミット・アセント・ホールディングスの株式を取得している。また20年4月にはベトナムの保養地ダナンに開業を予定されているホイアナの33.4%の株式を保有している。チャウCEOは「特別なことはしていないし、早いとも思わない。新しいことにチャレンジした結果」と話し、グループの強みとしては「観光、サービス、エンターテインメント。特に映画、コンサートの経験」を挙げた。
月曜の発表によると、世界有数の建築会社、AEDASが設計した和歌山IRの構想をサンシティは、「IR 2.0」と呼び、デザインには日本の伝統文化とともに、和歌山県の特徴を盛り込んでいる。それらの野望には同社が持つ「中国大陸、マカオそして香港での映画製作、コンサートそして文化イベントでの経験」を活用して和歌山全体でエンターテイメントを振興することが含まれている。
加えて、サンシティグループの系列会社である『サントラベル』が近隣地域と協力し、和歌山を拠点にしたハイエンドの観光商品の開発を行い、このエリアの観光業の成長を活性化させることもできる」と述べた。

和歌山IR2.0にはこれまでにないIRという意味を込めており、3カ所とされる候補地としては「横浜、大阪、和歌山と推測している。わたしたちは日本に必要なものを持っている」と話した。
12月には和歌山市内に事務所を開設する。