6月のマカオのゲーミング粗収益(GGR)が前年比5.9%増の238.1億マカオ・パタカ(約3,205億円)にのぼった。これはアジアのゲーミング中心地であるマカオにとって2か月連続のプラス成長となる。
今年に入って最大の月間成長率でもあるこの結果は、1.8%のプラス成長というコンセンサス予想を優に上回っており、アナリストは最近のトレンドに反してマスとVIPの両部門で改善が見られたことを指摘している。
JPモルガンのDS・キム氏は、6月のマスの収益は18%から20%の増加、そしてVIPは2019年の平均約14%と比べて8%から9%の減少となることを予想していた。
キム氏は、「ジャンケット大手のローリングチップ売り上げが季節的な不調にもかかわらず前月比で横ばいに留まったこと、そして前年比での減少が急激に縮小したことから、VIP需要は安定してきているようだ」と述べた。
6月の結果によって、年前期のマカオのGGR合計は2018年前期とほぼ同水準にまで引き上げられ、前年比で0.5%のみの減少となる1,495億マカオ・パタカとなった。
バーンスタインのヴィタリー・ウマンスキー氏、ユーニス・リー氏そしてケルシー・ヂゥー氏は、6月はこのプラスの勢いが続くはずで、前年比比較での差は縮小し続けると述べており、「VIPが回復すれば上昇傾向でサプライズが見られるかもしれない。中国での与信の伸び率の回復によって、VIPのGGRが安定し、全体のGGRの成長につながる可能性があり、それが19年後半のVIPの回復を後押しするかもしれない。しかしながら、6月のマクロデータが予想よりも低かったこと、そして米中貿易の緊張関係が継続していることが、GGRの回復を不透明にさせている」と付け加えている。
早期予想では7月のGGRは2%から4%の成長になるとされている。