ラスベガス・サンズ(LVS)が、シンガポールの統合型リゾート、マリーナベイ・サンズ(MBS)拡張のために、最大で80億シンガポール・ドル(Sドル)(約6,327億円)にのぼる資金調達の手段を探し始めた。
ロイターは、MBSが4つの銀行に資金調達業務を委任したことを伝えており、その中には40億Sドルの新たな借入に加えて、既存の融資の延長なども含まれている。MBSが新たな借入を求めたのは、同社が28の貸主と51億Sドルの取引を成立させた2012年以来初めてのこととなる。ただしその期間に変更や延長の交渉を2度行っている。
申し込まれた融資が巨額であるために、一部の現地専門家は、LVSにとって達成が困難となる可能性があると指摘している。
ある銀行家のこのような発言が引用されている。「マリーナベイ・サンズは、この資金調達計画を成功させるために、既存そして新規貸主の両方に上手く協力を求めなければならないだろう。借主はこれまでにここまでの規模の額を調達したことはなく、シンガポールのマーケットにとっても過去に例を見ないものとなっている」
しかしながら、MBSが世界で最も利益の多いカジノであるという評判を考えると、その確固たる実績はほぼ確実に有利に働くことだろう。いくつかの厳しい事業状況にもかかわらず、MBSは最近、19年第1四半期のEBITDAが4億2,300万米ドルにのぼったことを報告しており、これは同期間のLVSの合計EBITDAである14.5億米ドルの29%を占めていた。
中国大手銀行でシンガポール融資を担当する銀行家は、「我々は参加を強く希望している。我々にとってカジノ取引に参加し、このセクターで大きなテイク&ホールドのポジションを取ることに何の問題もない」
4月、シンガポール政府観光局はMBSとゲンティン・シンガポールのリゾート・ワールド・セントーサの両方に対して大規模拡張工事を開始するための承認を与えており、それぞれがおそよ45億Sドル(約3,562億円)をかけて拡張を行う。