思いがけないベトナム事業の喪失によって、東南アジアのカジノ事業者、シルバー・ヘリテージ・グループには、近づく200万米ドル(約2億1,652万円)の社債の返済を行うのであれば、追加の資金調達を行う必要がでてきた。
ネパールにある旗艦施設のタイガー・パレス・リゾートで報告の不正が見つかったことによってリリースが遅れていたシルバー・ヘリテージの2018年年次報告が金曜に行われた。それと合わせて公表された事業報告の中で、同社は、通常業務における資産現金化と負債消滅が出来ない可能性があるために、最近の出来事が同社の事業継続能力に重大な疑念を投げかけるかもしれないと警鐘を鳴らした。
差し迫った課題は、2020年3月に満期を迎える社債200万米ドルの最初の返済であり、これはタイガー・パレス・リゾートの事業強化のためにシルバー・ヘリテージに対して時間的猶予を与えることを狙いにした昨年9月のOCPアジアとの再交渉取引の一部となる。その取引の一環として、シルバー・ヘリテージは当時680万米ドル分の社債を返済し、残りの1,120万米ドルの満期日については2021年4月まで順次の延長が与えられた。
しかし、同社が所有者の代理でゲーミング事業を運営するベトナムのフェニックスインターナショナルクラブでのテーブルゲームが、修正後の投資証明書の下では許可されていないことを知ったことで、それらの計画は大混乱に陥った。シルバー・ヘリテージはその後、525万米ドルの和解契約で決まった通り、グループの2018年の収益の45%を占めていたフェニックスと道を分かつこととなった。
金曜の報告の中でシルバーヘリテージは、ベトナム事業の休止は、「同社の社債の条件の下では契約不履行の可能性」があることを明かし、それでも同社は債券所有者からまだ一切不履行の通知は受け取っていないと付け加えた。また同社は、「ベトナム事業の喪失によって、達成できる見込みが低い」2019年6月30日までの6か月間のための今後のEBITDAコベナンツ(財務制限条項)テストに関連する権利放棄書を受け取った。
代わりにシルバー・ヘリテージは、今後の負債を返済するための新しい資金調達手段を探す予定だと述べた。とりわけ、同グループはまだ、ベトナムの元パートナーが先月債務不履行に陥ったことで、和解契約の2度目の支払いを求めている。シルバー・ヘリテージは、継続中の協議の後で、20万米ドルの最初の支払いを受け取ったが、まだ残りの金額を受け取るために動いていると述べた。