現地メディアの報道によると、ウィン・リゾーツがオーストラリアのクラウン・リゾーツに対して極秘で買収の提案を行った。
豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューは、ウィン・リゾーツが、クラウンの株主が買収を快く受け入れる意思があるかどうかを調べるためにクラウンとの間で協議を開始することを目指していると伝えている。クラウンはこの段階では提案を拒否したと伝えられているが、UBSとゴールドマンサックスの2社を共同アドバイザーに指名し、今後のさらなる展開を保留していると言われている。
ウィン・リゾーツは先週、マサチューセッツ州ゲーミング委員会から州のゲーミングライセンス保持の適正に関して3日間の聴聞を受けており、同社が26億米ドル(約2,897億円)の統合型リゾート、アンコール・ボストンハーバーの営業権を保持するために努力している中でこの提案のニュースが伝えられた。聴聞会は、創業者であるスティーブ・ウィン氏へのセクハラ疑惑に関する取締役会の対応を調査した後に開かれた。この疑惑によってカジノ界の大物であるウィン氏は辞任に追い込まれ、2018年初頭に保有していたすべての株式を売却した。
クラウン・メルボルンとクラウン・パースを運営し、現在22億豪ドルをかけた高級施設、クラウン・シドニーをバランガルーに開発中のクラウンでは、大株主のジェームズ・パッカー氏が昨年精神疾患を理由にクラウンとパッカー氏のコンソリデイティッド・プレス・ホールディングスの両社の取締役会を辞任した。
オーストラリアで長きにわたってトップを走ってきたカジノ事業者のクラウンは最近、世界的な拡大計画を撤回しており、その中にはマカオでのメルコリゾーツとの共同事業提携契約の終了や、アロンと呼ばれる統合型リゾートの建設予定地であったラスベガス・ストリップの34.6エーカーの土地売却などが含まれている。皮肉にもその土地は2017年12月に3億豪ドルでウィン・リゾーツが購入した。
ウィン・リゾーツの広報担当者はInside Asian Gamingに対して、この報道に関して「コメントすることはない」と伝えた。