オーストラリアのスター・エンターテインメント・グループが、シンガポール人ビジネスマンによる4,320万豪ドル(約33億9,000万円)のギャンブルによる負債の未払いをめぐってシンガポール高等裁判所に訴えを起こしている。この負債額の裁判は同国では最高額と見られている。
現地メディアのThe New Paperの報道によると、スター・エンターテインメントが、ウォン・ユー・チョイ氏(55歳)に対して同氏が昨年スター・ゴールドコーストのVIPテーブルで失った金額の支払いを求めているという。
損失自体は争点ではなく、ウォン氏は、カジノ幹部がバカラディーラーによるミスがあったために2018年7月29日までの損失の責任を同氏が負うことはない、またミスが続いた場合には今後の損失の責任も負うことはないと約束したと主張している。8月1日に再度ミスがあった時点でウォン氏は即座にプレイを中断したと、ウォン氏の代理人は主張する。
また争点となっているのは、スター・ゴールドコーストのウォン氏への貸し付けの性質だ。スター・エンターテインメント・グループによると、ウォン氏は4,000万豪ドルの小切手現金化の融通を要求し、それが認められ、その後さらに1,000万豪ドルが追加された。
ウォン氏はその様な要求はしておらず、代わりに4,000万豪ドルの与信を直接提案されたと話している。
ウォン氏はオーストラリア到着時、スター・エンターテインメント・グループに空欄の小切手を手渡し、その後に金額が記入されたが、シンガポールに戻った時点でその小切手をキャンセルしている。
ウォン氏の弁護人であるエイブラハム・ヴェルジス氏は、「ウォン氏は道徳的な信条に基づいてこのシンガポールの訴訟で争う予定をしており、支払いを止めた決断の正当性を完全に証明するつもりだ」と述べた。
今回の訴訟は、ウィン・マカオがマレーシアのファンドマネージャーから3,300万香港ドルの負債を回収するために起こした法域を越える画期的な裁判で勝訴してから3か月経たずに提起されている。