FIFAワールドカップの影響によるVIP売り上げの急落、マーカー与信枠の締め付け、そして台風26号の被害によって、インペリアル・パシフィック・インターナショナル(IPI)では、サイパンにある統合型リゾートの2018年12月期収益が前年比58.2%減となる32.6億香港ドル(約458億円)に落ち込んだ。
この結果によってIPIでは、2017年には株主に帰属する利益が6億3,700万香港ドルであったのに対して、2018年は29.7億香港ドルの損失に転じる結果となった。
2018年にIPIが直面した課題の詳細を報告する中で、同社はこの減少について様々な原因があると説明し、中でも最も顕著な原因として、サイパンの国際空港を1か月の閉鎖に追い込んだ2018年10月の台風26号による被害を挙げた。
インペリアル・パシフィック・リゾートでは、それに続く形でVIP売上高も大幅に落ち込み、2017年の3,858.6億香港ドルから2018年は1,262.6億香港ドルにまで減少し、VIP収益は73.5億香港ドルから29.1億香港ドルへと60.4%の減少となった。
しかし、IPIはプレイヤーによる借入金の回収でも苦労し続けている。同社は、2018年に46.9億香港ドルの売上債権を償却し、債権残高は96.7億香港ドルになったと述べた。そのうちの50%以上が1年以上未払いになっている。
そのような逆風と現在も残る労働力確保に関する懸念にもかかわらず、2019年には新たに4社のジャンケット事業者が同施設で開業することになっていることもあり、インペリアル・パシフィック・リゾートの今後については今でも自信を持っていると述べた。
IPIは「北マリアナ諸島には比較的低い税率という利点があるために、潜在的なジャンケット事業者に非常に有利な手数料を提示することができるだろう。VIP顧客により多くの宿泊施設を提供できるよう、質の高いホテル客室に加えて、現在3つのヴィラと4隻のクルーザーでの宿泊がすでに営業を始めている。リゾートヴィラとリゾートにあるホテルの客室が来年以降無事オープンすることによって、収容人数が大幅に増加し、より多くの顧客が宿泊できるようになるとも予想している。サイパンの快適な気候、素晴らしい観光名所、立地の良さ、そして柔軟なビザ政策を最大限生かしながら、ホテルの客室の増加によってサイパン島への訪問数はまだまだ増える可能性があると考えている」と語った。
2018年12月31日までにインペリアル・パシフィック・リゾートに7億9,200万米ドルを費やしてきたIPIは、昨年末 Inside Asian Gamingに対して、建設は今でも順調に進んでおり、期限である2021年2月28日のかなり前に完成させることができると話した。