20日から行われている北海道議会の一般質問で、高橋はるみ知事はIR施設について、「懸念される諸課題への万全の対策を講じることを前提に、誘致に向けた取り組みを進めることが重要だ」と表明した。北海道新聞が報じたもの。道内では苫小牧市、後志管内留寿都村、釧路市が誘致に名乗りを上げている。
これまで、北海道はIRに関する有識者懇談会を設け、高橋知事も経済効果を踏まえて誘致に前向きな考えをにじませてきた。
しかし、昨年12月15日、当選すれば5選になる、この春の知事選には出馬せず、夏の参議院選挙に北海道選挙区で自民党候補として出馬することを表明。以降、IRについてはっきりした表現は避けてきた。今回の議会でも前記のように「取り組みを進めることが重要」と話したものの、道として誘致するかどうかの判断までは踏み込まなかった。
北海道知事選は3月21日告示、4月7日投開票の予定。自民党が中心となる保守系は、鈴木直道・夕張市長(37)に一本化、推薦することを決め、野党系は石川知裕・元衆院議員(45)の擁立を決定している。
IRの誘致について、鈴木氏は「経済的なプラス面とギャンブル依存症などのマイナス面を総合的に勘案する必要がある。道民目線で判断したい」としながら、ポジティヴなスタンス。
一方の石川氏は「果たして経済成長に資するか疑問。また、ギャンブル依存症の問題も解決されていない」と、誘致を反対している。
高橋知事のくら替えにより、IR誘致の可否は新知事が判断することになった。4月の知事選の結果が、北海道におけるIRの未来を決める。