北海道は今月23日から、「IRに関する地域説明会」を道内各地で開催している。札幌、釧路に続く3会場目になった28日は、道内の〝優先候補地〟とされている苫小牧市での開催。市民ら約110人が参加した説明会では、IR誘致への反対意見が多く聞かれた。朝日新聞、北海道新聞などが伝えている。
道の担当者は、昨年11月に公表した「IRに関する基本的な考え方」(たたき台)に基づき、約1時間かけてIRの基本コンセプトや社会的影響対策の方向性などを説明。IRは観光の起爆剤になるとの認識を示した。
その後の質疑応答では、「ギャンブル依存症が心配」「人の不幸を前提に経済振興を図るのは反対」「世論調査では反対意見が多い。誘致するなら住民投票を」などの反対意見が相次いだ。
一方、賛成派からは、「苫小牧市への誘客のためにIRを。市のため歩み寄って話し合いをしてほしい」という声が聞かれた。
道観光局の槇信彦誘客担当局長は、「ご意見を十分に聞いて、IRの導入が北海道観光の発展に貢献する可能性を探っていきたい」と話した。新千歳空港に近く、経済効果が最も高いとの試算が出ている苫小牧市でも反対意見は根強い。まだまだ丁寧な住民説明が必要だ。説明会は今後、函館、旭川、帯広、網走市でも開催される。