旧築地市場の跡地について、東京都は国際会議場・展示場(MICE施設)や交流施設を核とした再開発を進める方針素案を作り、庁内の非公開検討会に15日提示した。朝日新聞が報じたもの。
世界最大の市場として、海外からも多くの観光客を集めてきた「築地」は、昨年10月に閉場。約23haに及ぶ広大な土地の活用策には注目が集まっていた。2020年の東京五輪・パラリンピックの期間中に限って、大会向け駐車場として使われることは決まっている。
この素案にはMICE施設のほか、家族連れで楽しめる交流施設の整備案などが盛り込まれており、周辺の浜離宮恩賜庭園などと連携し、年間2500万人を呼び込む目標が掲げられている。
東京都は昨秋に政府が行ったIR誘致に関する調査に対し、「申請を検討中」と回答している。多くの海外IR事業者が熱い視線を送っている大阪に比べ、最近の東京は沈黙を続けているが、〝東京カジノ〟の線が完全に消えたわけではない。
小池百合子都知事は日刊工業新聞の新年インタビューで、「東京都ほど長年にわたってIRを研究しているところはない。その蓄積は大切にしたい」とコメント。今後、誘致について意見がまとまれば、一気に実現に向けて走り出すポテンシャルは十分にある。築地MICEが、カジノを含めたIRへとボリュームアップする可能性も捨てがたい。