セガサミークリエイションの会長兼CEO、スコット・ウィンゼラー氏が、2021年に業界が直面した課題と、自社が今後数か月で集団からどのように抜きん出るかについて語る。
ベン・ブラシュク:長い2年でしたが、新年が近づく中、2022年についてどのように感じていますか?
スコット・ウィンゼラー:ご存知のように色々なことが元に戻り初めていますが、本当に何らかの動きが見られるのは、まだ2022年に入ってからのように見えます。というのも、当社の事業とは関係ありませんが、ゲーミング機器またはその他旅行業界よりもカジノに大きな影響を与える可能性のあるジャンケットをめぐる重要なニュースがいくつかありました。ですが我々の視点からは、本当に本当にゆっくり再開している様子が見られます。
2021年のすべての会議はオンラインで行われ、ショールーム内でのZoom会議開催はかなり上手くいき、各市場の顧客と話すことができようになりました。これはしばらく続くと思います。というのも2週間の隔離が必要であるなら、営業担当者は誰も出張に出ませんので。来年前半にそれが解消されるとは思いません。
BB:1年前に話をした時、2021年がどうなるかについて、私たちのどちらもおそらく自信というよりも希望を抱いていました。振り返ったとき、アジアにおいて、セガサミークリエイションの一年はいかがでしたか?
SW:地域全体で数百台の機械を設置し、それらほとんどが年間を通じて電源オフになっていましたので、それらがどのようなパフォーマンスであったかはわかりませんが、実際にいくつかのゲームをオンライン上で販売しました。顧客とはリモートで話をし、その後現地サポートグループと共に作業するか、もしくはカジノが自分たちで作業することもありました。
私たちは2つの異なるゲームを導入しました。1つは「Wealth Rush」と呼ばれる共通リンクを持つゲームシリーズでした。しかし、これはあまり上手くいきませんでした。
もう1つは「Dragon’s Foo」と呼ばれるもので、非常に上手くいっています。マカオでいくつか設置しましたが、フロア平均と同程度または上回っているかのどちらかで、フィリピンに入れたものも好調です。それが昨年の私たちの事業範囲でした。実験的にこれらいくつかを配置したということです。
実験的にこれらいくつかを配置したということです。
ここ数年の私たちの主要な収入源となっていたものが、スタンドアロン型バカラゲーム『Baccarat Maximum For-tune』で、だいたい他のETG(電子ゲーム機)と比べてフロア平均の2倍から3倍、いくつかの場所では5倍から6倍の利益を継続して生み出しました。
ソーシャルディスタンスがなおも求められる年に入っていく中で、おそらく事業者たちはそういった類のゲームを入れるだろうと考えています。米国ではそれが見られました。ソーシャルディスタンスのためにより広い間隔を取ろうと、事業者たちは一部のマシンを移動させており、多くのカジノが『Baccarat Maximum Fortune』がうまく利用できると知っていたために、それを手に取りました。彼らはこの製品の柔軟性を気に入 っていました。継続してアジアでも成功すると思われます。それ自体でも成功するでしょうが、アジアが開かれていく中、それは優れたソーシャルディスタンスツ ールにもなります。
BB:2022年のアジアを見たとき、新年に向けての戦略は?
SW:昨年展開するつもりだった製品がまだあるので、それで行こうと思っています。おそらく我々が最も楽しみにしている最大の単独製品は『Lucky Fruits』というもので、2つのタイトルがあります。これは持続性が目に見えるツリーゲ ームで、ワイルドシンボルをゲットすると、もう1つコインやフルーツがツリーに投げ込まれ、時折それが揺れてボーナスがツリーから落ちてくるため、興奮が高まります。このゲームは昨年発売の準備ができていましたが、それを控えました。我々が世に出ていくにあたってそれがお勧め商品になることでしょう。そのゲームに関しては力を入れていますので、2022年の早い段階で展開し始める予定です。
BB:新型コロナは、セガサミークリエイションを立ち止まらせ、開発、そしてプレイヤーがカジノフロアでそれら製品とどう接するかを再考するきっかけとなりましたか?
SW:スロットマシンに関してはそれほどでもありません。システム担当者がチケ ットの行き来を最小限に抑えるためにキャッシュレスとウォレットを提供していることは知っていますが、それが私たちのビジネスモデルに影響することはありません。しかし、一旦マシンの前に座 ったら、期待されている仕掛けや美しいグラフィックなどが新型コロナの状況に関係なく、今日でもなお当てはまると思います。
BB:セガサミークリエイションゲームが他のゲームと一線を画すものは何ですか?
SW:当社チームが長い実績を持っているものの1つに美しいグラフィックがあります。パチンコとパチスロ、そしてセガワールドでの経験、全てが例外なく製品の見栄えを補完しています。
ゲームに関して言えば、早い段階で出したゲームのいくつか…チームは市場に何か新しいものを持ち込もうとしていて、それらコンセプトのいくつかは機能しなかったので、ここ1、2年は証明されたものを繰り返して、自分たちの地位を確立しようと努力しています。
いくつかのホールドおよびリスピン機能と、持続性が目に見えるツリーがあります。これは有難いことにプレイヤーに気に入っていただいているいるようです。私たちはそれらを使用し、そしてそれをもう少し前へと進めて差別化を図 っています。しかし、コアフォロワーを確立できるまでは、全てのメーカーがリリ ースしている業界のトレンドについていかなければならないと思います。
ただし、もう一つ知っておく価値があるのが、現場での問題がまったく発生していないということです。それは素晴らしいことです。当社チームは何年にもわたって何百万もの箱(マシン)を作ってきて、(修理のための)エンジニアリングチ ームはしっかりしているのですが、一切壊れていないのです。紙幣識別機が壊れた場合、それを交換するだけですが、マシンではそれが難しいため、プラットフォーム、電源、機械のハードウェアまたはボタン、またはグラフィックの問題が一切ないのは素晴らしいことです。それについてはこの上なく嬉しく思っています。
BB:2022年に向けて。アジアのカジノ市場から何を期待するかについてのお考えをお聞かせ願えますか?
SW:私たちが米国で目にしているトレンドのいくつかが、ここまでやってくるでし ょう。キャッシュレスはかなりのブームになりつつあります。当社ゲームに関して言えば、「Dragon’s Foo」は面白いゲームであり、アジアでそれを展開します。プレイヤーはボラティリティを選択でき、サイコロ機能を備えているため、サイコロがリール1と5に着地すると、回転します。プレイヤーが初見で理解するのは難しいかもしれませんが、それの良いところはサイコロが実際に本当のサイコロの確率で転がるところです。これは、単にサイコロをグラフィックで表現したものではなく、実際にサイコロを振った場合の本当のRNG(乱数生成器)を通っています。それが手に入れるワイルド数を決定するので、最初のリールで3を出し、5番目のリールで4を出すと、7つのワイルドシンボルを獲得することになります。当社が提供するクールなゲーム機能の一種です。米国で非常に好調で、アジアで押し出している製品です。
BB:2022年にいい感触を得ているアジアの特定の地域はありますか?
SW:マカオ、フィリピン、そしてその他にカンボジア、ベトナム、マレーシアですね。他の国はあと一歩遅れており、それほど速くは進んでいないようです。
また、韓国の仁川にあるパラダイス シティに投資していることもご存知だと思います。まだ製品は導入していませんが、その手続き実施の準備をしています。
BB:最後に、他にアジア関連の計画はありますか?
SW:2021年がもっと早く活気を取り戻し、より速いペースで製品を展開できることを望んでいましたが、上手くいったバカラゲームを搭載した電子ゲーミング機は気に入ってもらえました。今後も、ソーシャルディスタンスの確保に役立つ、または単にそれがニーズに合っているから、どちらの理由であっても、今後もそれを提供し続けていきます。そして、数年前に我々が市場に持ってきた、よりユニークで挑戦的なコンセプトのいくつかから離れて、代わりに、より高いボラティリティのゲーム、アジアをテーマにしたもの、上手くいっている有名な機能などに目を向け、我々の視点からそれらにひねりを加えています。
私たちは、アジアと米国の両方で、ゲ ームを従来のプレーヤーが望んでいるものに近づけるために多くの作業を行 ってきました。米国がより早く営業を開始したため、その戦略はうまく機能しています。アジアを再稼働させ始める際にも、それが当てはまることを願っています。