アジアのゲーミングおよびレジャー業界を取材して16年目を迎えたIAGの新連載では、ちょうど10年前の特集記事「幸せと感じられるほどの利益」から、2011年2月当時の話題を振り返る。
2011年2月は、シンガポール初の統合型リゾートであるリゾートワールド・セントーサのオープンから1周年を迎え、Inside Asian Gamingは、2011年2月号の表紙ですでに大成功を収めているその事業を特集した。 RWSと都市間のライバルであるマリーナベイ・サンズに刺激を受けたシンガポールの成長ストーリーはまだ始まったばかりであるものの、当時の数字はすでに大きな励みとなっていた。IAGが当時報じたように、2軒の統合型リゾート(MBSは2010年4月にオープン)の初年度におけるシンガポールの観光客数は、2010年に20%増の1,160万人となり、過去2年間の減少を覆し、同年12月には過去最高の月間113万人を記録するなど、過去最高を記録した。
その結果、RWS自体は初年度に1,500万人の訪問者を迎え、系列ホテル4軒では約70%の稼働率を誇っていた。また、一部のアトラクションは稼働していなかったが、テーマパークの入場者数は200万人を記録した。
それから10年後、RWSは国内外から年間約1,800万人の訪問者(2019年)を集める一方で、シンガポール自体には新型コロナウイルス感染症が2020年に旅行を縮小させる前の2019年には、1,910万人の外国人訪問者が訪れている。
しかし、当時から逆転した興味深い統計に、市場占有率がある。RWSは2010年第4四半期に、シンガポールのカジノ市場占有率の51.9%を獲得したが、2011年第1四半期には55.8%にまで上昇。IAGは当時のアナリストの発言を引用し、こう表現している。「マリーナベイ・サンズの方がはるかに華やかな施設であることは間違いないが、米国の事業者はこれまでのところ、比較的劣勢な競争相手であるように考えている…。アジアのギャンブラーには、ゲンティンのカジノ商品の方が、魅力的なのかもしれない」。
後にこれらの予測は、的外れであったことが証明される。MBSはシンガポールにおいて、2019年の市場占有率が64%前後と、長い間最有力の存在であり続けてきたからだ。
