取締役社長兼COO
ラスベガス・サンズ
非業務執行取締
サンズ・チャイナ
パワースコア: 1,611
昨年の順位: 7
評価理由
• シェルドン・アデルソン氏が病気で不在の2019年、その代役を見事に務めた
• アデルソン氏が信頼を置くグローバル部門を統括するナンバー2であり執行者
• ベネチアン・ラスベガスの開業を助けた
ロバート・ゴールドスタイン氏は、時価総額やその他の指標で世界最大のゲーミング企業司令部の明らかなナンバー2。ラスベガス・サンズで25年目を迎えたゴールドスタイン氏は、シェルドン・アデルソン会長兼CEOに長きにわたって忠誠を尽くす補佐官であり、他の幹部との衝突を恐れない。
87歳のアデルソン氏が病気で不在にしていた昨年というのは、そのトップがこの世界から身を引く決断をした場合のナンバー1の座のオーディション期間であり、ゴールドスタイン氏はそれに合格したというのがもっぱらの見方だ。
主にゴールドスタイン氏の監督の下で、昨年LVSは収益を33億米ドルに、EBITDAを54億米ドルに増加させた。ゴールドスタイン氏の摂政政治を受けた投資家へのレポートの中で、投資顧問会社のサンフォード・バーンスタインはLVSの市場支配力を絶賛し、そのアジア施設を「世界のゲーミングの最も重要な部分」と呼び、(中略)マカオとシンガポールにおいて、同業他社をマーケットシェア、マージン、フリーキャッシュフロー創出および投資家への配当において、それらを小さくさせていると述べた。 新型コロナによってはサンズの現金創出マシンは消滅したわけではなく、ただ一時停止しただけだった。
暫定的な役割の中で、ゴールドスタイン氏はLVSを運営し、過半数所有者のアデルソン会長およびその一族という株主を満足させることの重大さに動じていないようだった。会長の妻であるミリアム・アデルソン博士が実際のLVSの最大個人株主であり、その次女シヴァン氏の夫、パトリック・デュモント氏は、LVSの執行役副会長兼CFOを務めている。デュモント氏は、LVSの年次報告書の中で、その不在が「 会社に重大な悪影響を及ぼす可能性がある」人物としてアデルソン氏とゴールドスタイン氏の他に名前が挙がった唯一の幹部だ。
しかし、共にイスラエル生まれで、同国の最大手新聞であるHayomに深く関わるアデルソン博士とその娘は、ゲーミングよりもイスラエルの政治にはるかに関心があるようだ。アデルソン一族は、事業継承を確実に続けていくために、かなりの割合を同族所有しており(相続人に財産を残すためにエキゾチックな米信託商品を使用する最もアクティブなユーザーに入っている)、ゴールドスタイン氏がト ップの座を維持する可能性が高い。
ゴールドスタイン氏はラスベガスを拠点にはしているものの、アジアを知らないわけではない。過去6年間はサンズ・チャイナの取締役を務めており、2015年にはLVSマカオ運営会社の暫定社長も務めた。ゴールドスタイン氏はまた2011年から2014年まで、LVSの国際ゲ ーミング事業部プレジデントも務め、LVSの全カジノを監督した。
多くの人が主にシンガポールのマリーナベイ・サンズ(MBS)の監督のためにその職に就いたと見ており、同施設は非常に入念に規制された環境において、ジャンケットプロモーターなしのアジアゲーミングの道を進もうとしていた。MBS幹部のジョージ・タナシェビッチ氏とアンドリュー・マクドナルド氏が現地で指揮を執る中、MBSは世界で最も大きな利益を生むIRになった。
ゴールドスタイン氏がLVSに入ったのは1995年のことで、それ以前はアトランティックシティにある無関係のサンズホテルでマーケテ ィング部門EVPを、そして親会社のプラットホテルで同様の役職を務めていた。ゴールドスタイン氏は、ラスベガスのザ・ベネチアンの立ち上げを助け、施設社長に昇り詰め、そしてアデルソン氏の革新的な会議主導型IRモデルを成功へと導く中で重要な役割を果たした。
2015年の初めに、LVS社長兼COOの職をマイケル・レヴェン氏から引継ぎ、取締役会でその席を手に入れた。大学時代は歴史と政治学を学び、法学部を卒業するも、経営に天職を見出したようだ。