クリントン・ロング氏が、最近のアジアVPへの昇進、そしてサイエンテ ィフィック・ゲームズ地方チームを率いる中での目標について語る。
ベン・ブラシュク:新しい役職への就任おめでとうございます。SGのアジアVPとして達成したいことは?
クリントン・ロング:2013年にこの会社に入社してからの時間、この地域での急速な成長に関わることができて幸運でした。当社は、業界に提供するソリューションに関しては極めて多様な会社で、それこそが私が最初にこの会社に入った重要な理由です。
私のゴールは、存在する機会から利益を得られるよう適した人材、製品、サービスが揃っていることを確実にしながら、継続して事業を拡大し、地域全体でのブランド力の強化を助けることです。私は2007年からアジアゲーミング業界で働いており、新興市場だと言える場所で長い時間を過ごしてきました。ですので、各マーケットについてくる微妙な違いに関して豊富な経験があります。アジア市場の多くに、特に新規オープンや拡張など、今後3年から5年の間に数多くの機会があります。
確実に成功に向けた正しい戦略を実行する中で、VPとしてチームにリーダーシップとガイダンスを与えることが私の役割です。
BB:周知のとおり、ケン・ジョリー氏からその役職を引き継がれました。ジョリー氏から学んだことは?そして自分自身のやり方で、どのような変化を起こしていこうとお考えですか?
CL:ケンの経験と実績は明白です。2000年代前半から半ばまで、彼はアジアでアリストクラートのビジネスを確立し成長させることに尽力しました。私が2007年に、それまでいたシドニーからシンガポ ールに拠点を移し、新興市場のいくつかでアリストクラートのプレゼンス拡大に関わるメンバーに加わった頃です。
2013年にサイエンティフィック・ゲームズで再びケンの仲間に加われることを非常にうれしく思いました。彼はチャンスを逃さないこと、そして世に出て、一生懸命働いて結果を残すということを教えてくれました。さらに、ケンが常々得意としていたのが、素晴らしい才能を惹き付け、周りに強固なチームを築くことでした。SGアジアのチームは素晴らしい才能で溢れていました。私の目標は、引き続き社内でその文化を育み、従業員のやる気を継続させそして彼らの知識を伸ばし続けること、そして今後も優秀な人材が集まってくれるようSGアジアを選ばれる会社として位置づけていくことです。ゲーミング界で有名なリーダーの後任ですから、大きな責任を感じています。
BB:また、気付けばこの役職に就任されたのは、この業界がこれまで直面してきた中で最も困難な時期の1つです。まずは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はアジアでSGにどのような影響を与えましたか?
CL:今回のパンデミック中にケンから役職を引き継いだことが非常に困難であることは間違いありません。しかしながら、それによ って新しい役職の私の学習曲線は加速されています。COVID-19の影響は明らかです。しかし、一方では我々がビジネスの全ての面において掘り下げ、今後チームをより強くすることができる方法に集中する機会を与えてくれてもいるのです。
BB:今回の危機から浮上する中でチームが直面した主な課題は何でしょうか?
CL:主な課題は、様々な市場が再開フェーズの中でどのようになるかを理解しようとすることです。新たなトレンドが現れてくるのか?社会的距離と、プレイヤー層やプレイヤー行動へのその影響がプレイヤーの好みをどう左右するのか?テクノロジーは「新しい生活様式」に対応する中でどのような役割を果たすのか?そのような変化は短期的なもので、その後はコロナ前の状況に戻るのか、または全体の事業環境における根本的な変化があるのか?これらは業界全体に該当する課題のほんの一部です。
BB:今後の12カ月間がアジアゲーミング業界、そして特にスロット市場に何をもたらすと想像していますか?
CL:すでに世界中でキャッシュレスゲーミングに関する業界の話がたくさん聞こえてきています。新型コロナ後の世界では、チップや現金取扱いへの依存性を低くできるテクノロジーソリューションを求める声が注目の話題になっています。特にアジアでは、そのようなテクノロジーを実行に移すことに独自の課題があり、市場ごとに異なります。
スロットに関しては、再開が始まって以降、すでにオーストラリアで、SGの定番ゲームタイトルのパフォーマンスが改善しているという傾向が現れているのを確認しています。これには、『Lock It Link』シリーズからのオリジナルタイトルの一部、『Happy Chance』や『Jin Ji Bao Xi』シリーズ、そして『Drifting Sands』シリーズといった当社の人気の$1ゲームなどが含まれます。アジアでも同様の結果が見られると予想しています。この地域で優位性を与えてくれる人気の既存製品群があるため、当社は良い位置につけていると考えています。
BB:COVID-19は製品開発プランを大幅に変えましたか?
CL:製品開発プランは大幅に変更していないものの、ポートフォリオを強化して、アジアで予想される将来の成長から利益を得られるように変えました。これには、当社のグローバルコンテンツストリ ームへのアクセスを良くしてこの地域の製品ポートフォリオを強化することなどが含まれます。
BB:当然ですが、これまでサプライヤーにとって、展示会はバイヤーに新製品を披露する重要な機会となっていました。2020年、これと同じ機会を持つことなくどう乗り切ってきたのですか?
CL:ここ数カ月間、各地域の顧客に向けて、バーチャルで製品および最新情報に関するプレゼンをかなりの回数行なってきており、実際それが非常に効果的であったことが分かっています。渡航制限が解除されたとしても、将来的にこれをさらに行なっていくんだろうと考えています。
BB:イノベーションについてはいかがですか?SGアジアチームは積極的にこの「ニューノーマル」中に事業者とプレイヤーの両方に機能することのできる製品を模索してきましたか?
CL:はい、実際当社のシステムチームはすでに、新型コロナ前にキ ャッシュレス商品である『Unified Wallet』の開発に入っていました。
『Unified Wallet』を使うと、プレイヤーはモバイルアプリの操作を通じて瞬時にスロットやテーブルで使う資金にアクセスすることができます。さらに、システムチームは、「ニューノーマル」への対応として、社会的距離確保モジュールなど施設が、コロナ後に必要な安全対策を守る助けとなる複数のモジュール、そして清掃・消毒作業の合理化を助ける自動ゲーム消毒(Automated Game Saniti-zation)に取り組みました。
BB:最後に、COVID-19は別にして、今後数年間のアジアでのSGの長期的なビジョンは?
CL:私のゴールは、パートナー企業や顧客に価値を推進し、存在する機会から利益を得られるよう適した人材、製品、サービスが揃っていることを確実にしながら、継続して事業を拡大し、地域全体でのブランド力の強化を助けることです。