副会長
ギャラクシーエンターテインメントグループ
パワースコア: 5,914
昨年の順位: 1
評価理由
• ギャラクシーをマカオゲーミング界の事実上王者へと押し上げた
• コタイ最大の単一土地区画を開発中でフェーズ3および4が2022年オープン予定
• モンテカルロのカジノ事業者SBMおよびウィン・リゾーツに戦略的な株数を保有
マカオの他全ての事業者同様、ギャラクシーエンターテインメントグループの利益も新型コロナの影響で大きな打撃を受けている。しかし、世界のゲーミング中心地であるマカオの同業他社とは異なり、パンデミックを乗り切る中で、この会社に負債を増やす理由は見つからなかった。
冷静で計算し尽くされたフランシス・ルイ副会長の戦略に率いられるギャラクシーの財務管理への保守的なアプローチは、20年第1四半期のEBITDAが93%減の2億8,300万香港ドル(約38.5億円)に落ち込み、20年第2四半期には13億7,000万香港ドル(約186億円)のEBITDA損失を計上した中であってさえも2020年、その成果を得ている。
8月に第2四半期業績発表を行う中で、ルイ氏は2020年6月末時点で手元にある総額498億香港ドル(約6,780億円)の現金および流動性のある投資、そして436億香港ドル(約5,930億円)のネットキャ ッシュに言及し、負債を受けて流動性を向上させることを検討する必要はないと付け加えた。
バーンスタインのアナリスト達は4月初旬のレポートの中で、ギャラクシーはネットキャッシュポジションにあるマカオ唯一の事業者であるだけでなく、収益ゼロのシナリオでも40カ月丸々続けられるほどの手元資金があったことを認めた。
この戦略には別のメリットもあった可能性がある。日本の当局は、ここ最近、統合型リゾート開発に入札する企業の財務的な強さが、誰が最終的に勝つかを決める主な要因の1つになるということを明確に示している。
確実に、今年日本のIRレースでギャラクシー株は急上昇し、横浜で競い合う強敵の2社、ラスベガス・サンズとウィン・マカオはレースから撤退し、もう一つのライバルであるゲンティンは深刻な財政的圧力にさらされている。同社は、方針の詳細がまとまれば、まだ別の都道府県でも財政的影響力を振るう可能性があり、これまでいずれかの1つの場所に固執するよりもむしろその選択肢を探っているとのみ表明している。
その間、ギャラクシーはギャラクシー・マカオの第3フェーズ(および第4フェーズ)で力強い歩みを進めており、ギャラクシー・インターナショナル・コンベンションセンターと1万6,000人収容のアリーナに加えて、施設が現在持つ3,500室の客室にさらに1,500室を追加する。
ルイ氏とその父親でグループ会長のルイ・チェ・ウー氏考案のギャラクシー・マカオはすでにマカオで最も包括的な統合型リゾ ートと主張するだけの十分な資格がある。トップエンドのリッツカールトンからバジェット型のブロードウェイまで、そして質の高いアジアブランドのオークラやバンヤンツリーなど幅広い層に向けた6つのホテルを持っている。
同施設の120店の飲食店も同様に多様性に富んでおり、150トンの白砂を使ったグランドリゾートデッキ、そして世界最大の波の出る屋上プールは、温かい季節には混み合うことも多い(2020年を除いて)。
同施設はマカオでは非常に少ない映画館の1つも提供しており、10スクリーンのUAギャラクシーシネマズのおかげで、本土からの訪問客は、輸入規制の関係で故郷の映画館では見られない映画を見ることができる。
意外なことに、ギャラクシーエンターテインメントグループが2002年にマカオのゲーミングコンセッションを勝ち取った時、フランシス・ルイ氏も父親でグループ会長のルイ・チェ・ウー氏のどちらも、ゲーミング業界での目立った経験を持っておらず、聞く耳とオープンな考え方があれば成功できるということを証明している。