同席主席兼執行董事
SJMホールディングス
董事総経理兼最高総務責任者
ソシエダーデ・デ・ジョゴス・デ・マカオ
パワースコア: 2,097
昨年の順位: 6
評価理由
• マカオ立法会での事実上のゲーミング業界代表者
• スタンレー・ホー氏の第4夫人
• SJMに個人では最大の株式数を所有
大勢のほうが安心だということが普遍的にマカオのゲーミング業界にも適用されるならば、スタンレー・ホー氏の澳門旅遊娛樂股份有限公司(Sociedade de Turismo e Diversões de Macau, S.A.:STDM)のカジノ運営子会社であるSJMホールディングスはなおもマーケットシェアを独占するだろう。
マカオ特別行政区で現在営業している41のカジノの中で、22軒が旗艦施設であるグランド・リスボアをはじめとするSJM傘下のカジノであり、カジノ・リスボア、カジノ・オシアナスそしてカジノ・タイパの3軒の「自社運営」カジノ、そして18軒がSJMライセンスの下で外部企業が運営するサテライトカジノとなっている。
しかしSJMにとってコタイでの存在感の欠如が継続して痛手となっている。
MGMがマカオのコンセッション保有6社の中で5番目に、コタイで目を引く新リゾートをオープンしてから20カ月以上が経過し、SJMは待望のグランド・リスボア・パレスの完成で大きく遅れを取り続けている。そして今すぐの一時的な手だてなどもなく、同社は9月に入って当初360億香港ドル(約4,971億円)であった費用が390億香港ドルにまで増加しているこの施設の開業が、2020年後半に延期されたこと発表している。
その結果マーケットシェアを失い続け、アナリストはSJMのシェアが19年第2四半期時点で前年の15.5%から14.1%にまで滑り落ち、20%台前半というかつてのピーク値を大幅に下回っていることを指摘している。
また、グランド・リスボア・パレスが開業・営業開始となった際に、SJMのリーダーシップ構造がどうなるかという細かい問題もある。1月、スタンレー・ホー氏の第2夫人ルキナ・ラアム(藍瓊珱)氏の5人の子供の1人、パンジー・ホー氏は、STDM株主の間での5勢力同盟の組成を主導し、合計でSTDMの53%の株式を確保した。そしてSTDMがSJMの54%を保有しているために、SJMの運命を握る過半数を得ることになった。同盟の代表者たちはその後、SJM取締役会の10席中6席を確保した。
しかし、潜在的なパワープレイは別にして、ホー博士の第4夫人であり長年同地域で最も影響力のある女性の1人となっているアンジェラ・レオン氏はSJMとマカオ全体の両方で大きな力を持ち続けている。
すでにSJM最大の個人株主であるレオン氏は、夫の引退後の2018年に引き受けた同席主席兼執行董事として会社を日々意図した方向へと導き続けている。
レオン氏はまた、現地政治という点で大きな影響力を持っており、2005年に直接選挙で選ばれた立法議員として現在は4期目を務めている。
彼女の政治的影響力は、中国人としての現地でのルーツと組み合わさることで、今でもSJMの最も強力な資産の1つであり、同社がマカオで活況なゲーミング売上のパイを取り戻そうとするにあたって、今後数年間もそうであり続けることだろう。
レオン氏と息子のアーノルド・ホー氏が経営するマカオ・テーマパーク・アンド・リゾート社が開発している50億香港ドルのリゾート、リスボエタにも注目しておこう。
グランド・リスボア・パレス同様、来年下旬までのオープンが予定されている。リスボエタのアトラクションには、ジップライン、屋内スカイダイビング施設、マカオ初のIMAXおよびMX4Dシアターを備えた映画館が含まれると言われている … しかし、そう遠くない未来にゲーミングテ ーブルがその内装を彩っていたとしても驚かないように。