ハイエンドのソフトウェア・テクノロジーを提供するコムトレード・ゲーミングのシステム部長、イゴール・ラスが使用可能なデータの使用について説明する
現在のロイヤルティツールの真の美学は、単に様々な場所から集められたデータを価値ある情報に変換し、それをプロモーション予算に合わせることだけでなく、リアルタイムで反応し、顧客行動を強化・最適化することにある。収集されたデータは、滞在期間全体のプレイヤージャーニーの組み立てにおいて、プレイヤーの行動に合わせることを可能にしながら、そのように使用されるべきである。この方法でもってのみ、現代的かつ未来を見越したロイヤルティクラブを作ることができる。
CRM(顧客関係性マネジメント)および予測分析アプリケーションは、事業者が価格設定、マーケティングそしてビジネス戦略を最大化するための完全版のプログラムを見つけ出し、そして洗練させる際に使用する基本ツールであるべきだ。前述のツールは、プレイヤー行動の予測と最高の結果の達成を可能にするためにもベンダーと双方で最適化されるべきである。
FAANG(Facebook、Apple、Amazon、NetflixそしてGoogle)とBAT(Baidu、AlibabaそしてTencent)の時代となる2019年には、旧式のカジノシステムは最新の技術に合っていない。
事業者は効率的な個人向けのプロモーションを行うことができるよう、プレイヤーリストを手動で作成するという状況から抜け出すべきだ。今すぐにプレイヤーと関わりを持ち、役に立つボーナスや報酬を提供するなどの行動を起こすべきだ。今ある最新のテクノロジーがあれば、リアルタイムでスロットマシンからデータを取得し、各マシンにハードウェアを一切追加することなく、自動化されたボーナスの提供を設計することができる。
コムトレード・ゲーミングが実現したG2S(ゲームツーシステム)が上記の問題への答えとなる。
現在、これらのシステムは、ゲーミングマシンやプリコミットメント(事前申告)などの責任あるゲーミング関連機能における全活動を把握したい政府によっても使用されている。
責任あるゲーミングのためにリアルタイムのデータフィードを必要とする基本技術は、さらに洗練されたロイヤルティプログラムの基礎でもある。CMS、メディアサーバー、またはダウンロードサーバーのような複数のシステムは直接スロットマシンに接続することができる(各マシンにハードウェアを追加する必要はない)。
事業者のスロットマシンが包括的なロイヤルティと焦点を絞った広告メッセージツールになる、または携帯電話がロイヤルティカードとカジノとのコミュニケーションチャネルになるところを想像してみてほしい。
テーブルゲームは、一部の地域では今でも収益の主な原動力となっている。現在多くのケースで、テーブルにいるプレイヤーは自分の報酬を回収するのに、フロア従業員に頼むか、プレイヤーブースに相談しなければならない。このような時代遅れの方法を近代化することで、プレイヤーのいる場所に正しいタイミングかつ自動でボーナスを届けることができる。
オフラインデータやプレイヤー行動の過去のパターンから学ぶこともたくさんある。テーブルやスロットでのプレイ、飲食での消費、またはホテルでの行動といった細かいデータとリアルタイムデータを組み合わせることで、カジノは価値ある生の情報を得ることができ、より素早く行動することができるようになった。こうすることで、事業者は競争において優位に立てることができるだろう。
別の時代遅れの機能に、ギフトやディナーの紙のバウチャーがあり、一部では未だに手渡しで使用されている。カジノは、ゲストがよりスム ーズな体験をできるよう変化を求められており、自動化されたプロセスとバーチャル・ウォレットを導入する必要がある。我々がWechat、Ali-payまたはApple Payを使用した支払いに慣れている中で、同じ時代に生きているとは思えない有様だ。
ここで話した全てのテクノロジーがすでに実用化されており、事実、事業者にとっては伝統的な方法ほど高くつくものでもない。
カジノとカジノ以外の全ての関連するデータを組み合わせることは、事業者とベンダーが潜在的そして既存のロイヤルカスタマーに十分なプロモーションで狙い打ちし、彼らにゲーミング体験を楽しんでもらう際に役立つ。それらは全て最適化されたマーケティングおよび財務手法の使用と、施設でのプレイタイムの向上、そしてリピーターの増加へと変換されていく。