共同会長兼業務執行取締役
MGM チャイナ ホールディングス
グループ業務執行会長兼業務執行取締役
信徳集団(シュンタックホールディングス)
取締役
STDM
パワースコア: 4,159
昨年の順位: 5
評価理由
• スタンレー・ホー(何鴻燊)博士の17人の子供の中で最も著名な人物の1人
• マカオのコンセッションを保有する2社およびその他多くの不動産やホスピタリティグループの株を保有する
今年6月、グラント・ボウイ前CEOの辞任後1週間経たずに、MGMチ ャイナの共同会長兼業務執行取締役で、22.49%の株式を保有するパンジー・ホー氏が、共同会長兼代表取締役という新しい役職に就くことを発表した。
ヒューバート・ワン氏とケネス・フェン氏という金融のプロを2名体制の社長に据えた経営陣再編の一環として(ワン氏は社長兼COO、フェン氏は社長兼CFO)、ホー氏は当時、現場でより長い時間を過ごし、「日常的に」経営陣とこれまでよりもいっそう緊密に連携すると述べた。
MGMチャイナの内情に通じた人達によると、ホー氏の戦略的方向性へのインプットは常に影響力を持っていたといい、現場により近い役割を引き受けた今回の動きは、それほど驚くべきものではなかったと話す。
さらに、同氏は現場でより長い時間を過ごし始めたと同時に、他の場所でも影響力を増す方向へと動いている。
2019年初頭、ホー氏はSociedade de Turismo e Diversões de Macau,S.A.(STDM: 澳門旅遊娯楽股份有限公司)の支配権獲得に向けて、世間の注目を集めるパワープレイに出た。同社は1962年に父親であるスタンレー・ホー氏によって設立され、かつてマカオカジノ産業の独占権を有し、現在はSJMホールディングスの過半数株主となっている。
フォク・ファンデーションと同盟関係を結ぶことで、STDMへのホ ー氏と新パートナーとの合算保有比率は53%に達し、そのたった数カ月後に社内で取締役選任が行われた際に彼らは10席中6席を確保することができた。
MGMの約款はライバルであるいずれのコンセッション保有者にも同社株主が多数の株式を保有することを制限しているが、都合よく、SJMに関してはホー氏に関する例外が記載されている。昨年末、58歳のホー氏は、MGMチャイナおよびその親会社であるMGMリゾーツとの間で、ホー氏も彼女の関係者も、直接または間接的に、マカオ、中国、香港または台湾にある他の一切のカジノゲーミング事業に関与または投資せず、特定の例外を除いて他のカジノゲーミング事業に株式または利害を持たないという競合禁止契約の延長に署名した。
その例外の中には、ホー氏が持つSTDMの株式、そしてマカオ最大の土地所有者の1者で、グランドラパを所有する雅辰酒店集団(Artyzen Hospitality Group)などの数多くのマカオのゲーミング事業者に利害を持つ信徳集団(シュンタックホールディングス)の取締役会長兼CEOという役職が含まれている。
ホー氏がMGMチャイナで第一線へと足を踏み入れるという決断をした時、同社はとりわけ、20年第2四半期にEBITDA損失が1億1,600万米ドルにのぼるという新型コロナの痛みを誰よりも感じており、極めて重要な時期にあった。
マカオ政府が2021年にゲーミングライセンスの再入札手続きの詳細を発表する予定である中、彼女がすぐにでも回復の兆しを見たがっていることは間違いない。その発表について、パンジー・ホー氏以上に関心がある人物は他にはいないといっても過言ではないだろう。