Inside Asian Gaming
2020 年 10月 IAG JAPAN 9 社説 ジャンケット・ジッタ ベン・ブラシュク 編集長 あなたのフィードバックが必要です。 コメントは bb@asgam.comへ 送ってください。 ジ ャンケット業界において、2020年よりも状況が厳しい 時期は想像しにくい。それは2014年に中国の汚職撲滅 キャンペーンが同業界に壊滅的な影響を与えた時を 含める。その時ゲーミング粗収益が3分の2も減って、統 合期間となった今までの6年を渡って、マカオの認可ジャンケット事業 者の数がおおよそ60%減った。 しかし最近の数年、以前ほどではないものの立ち直りをみせた が、2020年はいくつかの面で脅威を与えている。 言うまでもなく、一番壊滅的な要因は新型コロナウイルス感染症の 拡大。世界各地のカジノの強制的な休業や国際旅行の停止をもたら し、アジアを含めて多くのゲーミング法域は営業がほとんどできない ため、利益が発生しない状態だった。 マカオでは、2020年後半に唯一の救いになると予想されていたの がVIPだった。ウィズCOVIDでソーシャルディスタンスとゲーミングテー ブルの制限が当たり前になった中でVIPは適切だろう。 ただし、中国本土およびマカオとの越境移動の再開と同時に中国 政府が、「ハイローラー」のマカオへの入国や入国した場合の資金供給 を厳しく制限する新たな越境ギャンブル活動の取締りを開始した。 しかし、中華人民共和国文化観光部が8月に、中国のアウトバウンド 観光マーケットを混乱させているという国の「ブラックリスト」(フィリピ ン、カンボジア、ベトナム等)を発表したことを考えると、本土の怒りが 向いているのはマカオのカジノ事業者ではないと思われる。ただし、ジ ャンケットがプレイヤーに提供する資金へのアクセスが制限されると、 必然、マカオの財布も痛い。 中国のこの作戦はこれから3年間続くと予想されている。その間に、 プレイヤーが減少するとともに競争が激しくなり、マイナーなプロモー ターが途中で挫折したり、ジャンケット業界が再建されるだろう。 さて、これはマカオのVIPセクターと特にジャンケットの貢献の将来 にどう影響を与えるか?最も厳しい批評は「段々厳しくなる規制や利 益率がよりも高いプレミアムマスへ集中していることを考えると、ジャ ンケット自体は余命いくばくもない」というものだ。 それよりもジャンケット業界は再建を繰り返して生き残る可能性が 高いだろう。不動産業、金貸し、そしてカジノ営業への発展をしているサ ンシティ及び広東グループが示しているように、ビジネスの多様化が成 功の秘訣になる。 現在のジャンケット業界は、20年前マカオのストリートで営業してい たジャンケット業界とは同じものだと思えないぐらい変わってきた。20 年後のジャンケットはまた、大きく異なる姿になるだろう。
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