Inside Asian Gaming

2020 年 7月 IAG JAPAN 9 www.asgam.jp 社説 マカオのラッキーセブン ベン・ブラシュク 編集長 あなたのフィードバックが必要です。 コメントは bb@asgam.comへ 送ってください。 待 ちわびたマカオ再入札手続きが来年始まる時には第 7(または第8)のライセンスが発行されるのか?新型 コロナウイルス感染症のパンデミックで世界の注目 が集まるとともにこの疑問についての意識が薄くなっ ているが、近いうちにまた何度も見出しに出るようになる話題である。 ゆえに、こちらで少し話をさせていただきたい。 第7のライセンスを発行した場合は、高確率で中国にルーツがある 事業者に授与されるだろうとしても、潜在的な参入希望者は少なくな いだろう。現在のサテライトやティア2の事業者、例えばマカオレジェン ド(マカオ・フィッシャーマンズ・ワーフの所有者)や有力なビジネスマン である陳明金氏のゴールデンドラゴングループ等は間違いなくこの機 会に手をあげる。 ただ目立つ候補会社は3つあると思う。 一番わかりやすいのは、もちろん、サンシティグループだ。市場の 50%を占有するアジアのトップジャンケットとして有名なサンシティは、 独自にカジノ&リゾートの世間に認められた事業者になる意思がある ことを明らかにしている。資金には事欠かない同社は現在40億米ドル のベトナムIR・ホイアナをオープンしようとしつつ、ロシアにあるカジノ リゾート「ティグレ・デ・クリスタル」を運営するサミット・アセント・ホー ルディングス株の24.74%(これからは70%に増える)を持ち、今後マニ ラのウェストサイドシティ・リゾートワールドのメインホテルやカジノを 展開する準備をしている。 他に、ゲンティン・グループがマカオのライセンスを目指している。世 界最大のゲーミング事業者の一つであるゲンティンは世界各地のほと んどのゲーミング管轄にその身を置いているが、世界最大のゲーミン グマーケットを誇るマカオにはいない。それでも子会社のゲンティン香 港が持つ土地で、マカオのホテルを展開している。 そして最後に目立つのはチョウ・タイ・フック(周大福)だ。ホイアナで はサンシティとパートナーになっている周大福は香港を拠点にし、オ ーストラリアのスターエンターテインメントグループ株の4.99%を所持 している。他に2016年に安く入手した42億米ドルのバハマのバハマー ル・メガリゾートも運営している。 1980年代に周大福のヘンリー・チェン会長(鄭家純)の父がスタン レー・ホー(何鴻 燊 )氏から購入した、マカオコンセッション保有者、SJM の親会社であるSTDM(澳門旅遊娯楽股份有限公司)の9.6%の株をチ ェン会長が持ち、同社はマカオのゲーミング業界にも馴染みがある。 チェン会長のコネクションや周大福の影響力を考えると、これから マカオのエリートが走るこの競争に挑戦しても驚くことはない。

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