Inside Asian Gaming
2020 年 2月 IAG JAPAN 39 コラムニスト Council on ProblemGambling)が発足して以来、国全体で意識を 高めるための努力が続けられている。昨年審議会が報告した情報 を基にすると、10人中9人のシンガポール人がギャンブル依存症の 潜在的な害を認識している。加えて、10人中6人のシンガポール人 が問題のあるギャンブルに関する悩み相談ホットラインを知ってい る。シンガポールでの問題のあるギャンブルの数は低いままで推移 しており、問題を抱える人は人口の1%以下に留まっている。 シンガポールは、カジノ客が確実に充分な情報を得たうえで決 定を行うための積極的な取り組みを続けている。シンガポール市 場の柱の1本が、カジノからの自己排除、家族や第三者による排 除、そして政府が過去に犯罪歴があることを特定している人物の 排除という、異なるレベルの入場制限だ。このプロセスではまた、 外国人や永住者にも適用することができる。 カジノ入場税は今後も、参加する人に「入場コスト」を加えるこ とで地元住民のギャンブルを防ぐ抑止力として実施されたより進 歩的な問題の1つであり続ける。当初の1日当たり100シンガポー ルドル、年間2,000シンガポールドルという入場税は、150シンガポ ールドル、3,000シンガポールへとどちらも5割引き上げられた。 政府によるこの動きは、「問題のあるギャンブルをコントロール できている状態に維持」しておくために計画された。 しかしなが ら、多くの地元住民が、ゲーミングという娯楽活動に課された追加 の税に不満を漏らしている。昨年の入場税の改定時点で、シンガ ポールは2010年以降に、13億シンガポールドルの税収を得てい た。この入場税が、問題を抱えているかもしれない人の問題ギャン ブルを防止するのか、または、代わりに彼らはそれを目標として考 え、まだ勝負を始めてさえいないのに150シンガポールドルを取り 戻す必要があると感じるのかどうかはまだ分からない。 シンガポールで、事業者や政府がマーケットを見続ける中で分 かってきたように、調査・研究こそが全ての法域で鍵となる責任あ るゲーミングへの取り組みだ。責任をもってプレイする人々に及ぶ 可能性のある、あらゆる影響を最小にしながら、まさに問題を抱え る人にはより上手く対応するために、規制当局、事業者そして地域 パートナーとの間でパートナーシップを継続して作り上げていくこ とは可能だ。 あらゆる強固なプログラムの基礎は、エビデンスと科学をベー スにした研究であり、それがいずれの法域においても確かな方針 や実施につながる。シンガポールが成熟し続けると同時に、これら のパートナーシップや取り組みによって責任あるゲーミングへの 努力も成熟していく。その間ずっと、シンガポールは世界中の他の 法域が真似ることのできるロードマップを提供していく 。
Made with FlippingBook
RkJQdWJsaXNoZXIy OTIyNjk=