Inside Asian Gaming
2020 年 2月 IAG JAPAN 27 “The government has tried all kinds of ways to hide casinos. We continue to tell ourselves stories about why it is not a casino. We still try hard not to speak the truth.” – University of Singapore Assistant Professor Lee Kah-Wee. 「政府はあらゆる手段を尽くしてカジノを隠そうとしてきた。我々は、それがカ ジノではない理由を自分自身に説き続けている。今でも真実を口にしないよう 必死で努力している」 - シンガポール国立大学リー・カーウィー准教授 巻頭特集 「我々は、それがカジノではない理由を自分自身に説明し続け ている。今でも真実を口にしないよう必死で努力している」 両IRにゲーミング機の追加とカジノ拡張の選択肢を与えるこの 最近の拡張契約は、リー氏が予想していたよりも世間からの反応は 薄かった。リー氏は、利害関係者たちがまだ慎重さを求めるIRの「暫 定的な常態化」があると指摘する。「まだそこには世間を騒がせる重 要な問題がある。しかし彼らはそれに触れないように注意している」 アイドリングエンジン ゲーミングは現在もアジアの全IRの経済的なエンジンだ。MBS に関しては、ゲーミングが収益の70%を占めており、ホテル一泊の 宿泊料金が平均475米ドルで稼働率が98%、そしてショッピングモ ールが高い利益を生み出す中でさえ、利益中の割合はゲーミング がやや上回っている。ゲンティン・シンガポールは、売上の約65%を ゲーミングから得ているが、利益の内訳は明かしていない。 シンガポールは当初、ゲーミング/非ゲーミングの収益割合を半 々にするよう強く主張していた。ラスベガス・ストリップでは、売上 の3分の2が非ゲーミング部門から生まれているが、リー氏はアジ アの中でその割合を実現できる場所があるとは考えていない。 「それはまさに、市場の飽和の問題だ」とリー氏は説明する。同 氏の「カジノ都市主義」プロジェクトは、シンガポール、マニラそし てマカオでのゲーミングの影響を調査している。ラスベガスがその レベルの非ゲーミング消費に達した理由は、ゲーミングが飽和水 準まで達したからだとリー氏は考えている。「アジアが同様の飽和 状態になるまでは、半々に到達することはできない」 IRによるゲーミング売上への依存にもかかわらず、シンガポー ル当局は、それを抑制することに全力を尽くしたままでいる。カジ ノ合法化というシンガポールの決断は今でも、政府がこれまで下 してきたなかで、最も物議を醸している決断の1つだと複数の関係 者が認めている。反対派は、カジノが問題のあるギャンブルやギャ ンブル依存症を増加させる恐れがあることを中心に議論を展開し ている。多くの非ゲーミング施設を備えるカジノ複合施設を説明す るために、統合型リゾートという新しい用語を創り出すと同時 に、シンガポールはゲーミングへの意欲をそぐための想像力溢 れる手段を実践している。 切望されていたギャンブル依存症対策審議会(National Coun-
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